ここ最近、話芸の面白さにはまっている。
落語家さんの流れるような喋りっぷりに
すっかり、魅了されてしまっているのだ・・・。
といっても、新参者なんで、ただ単純に
良かった~、面白かったといって、
楽しんでいるレベルだけど・・・。
それにしても、私たちが話す言葉と、
同じ言葉なのに、すっーと聴き入っちゃう
あの声やトーン、抑揚って、いったいなんだろう?
やはり、日々積み上げた芸のなせる技?
そんなことを思いながら、昨日は、立川のアミューホールで
行なわれた歌丸師匠と小朝師匠の
二人会に行ってきた。
前座で話した瀧川鯉斗君は、なんと20そこそこだとか。
最初は、「え、こんな若いあんちゃんが・・・」と思ったが、
その初々しい喋りっぷりには、好感◎。
もと、暴走族上がり(と、自分で言っていたが・・・)で、
ついこの間まで街中をかっ飛ばしていたのが、
何をどう思ったのか、古典芸能の世界に飛び込んだっていうから
人生どこでどうなるか、わからない~。面白いな~。
その後の、小朝師匠は、さすが!
芸達者とはこのこと・・・と、サービス精神旺盛に、
脂の乗りに乗った喋りっぷりと、パフォーマンスとで、
初心者でも本当に安心して、大笑いさせてもらった!
そして、歌丸師匠登場! 年季の入った、落ち着いた語り口には、しみじみ。
人情噺に思わず、うるる~となってしまう場面も・・・。
本当に旅をしているような、情景が目に浮かぶ落語だったな~。
以前、歌丸師匠にインタビューさせていただいたとき、
「人に年代があるように、落語にも年代があるんです」と
話してくれたけど、まさにこのことだな~。
威勢の良さや向こう見ずな強気で話す20代、
体力も知力も増して、堂々ど話せる30代、
自分というものがよくも悪くも固まってくる40代、
培った経験や知識がほどよく熟成されはじめる50代、
熟練した技や力が、自然に身体から発せられる60代、
大海原のように、穏やかな波を操れる70代・・・、
その年齢によって醸し出される味わい、滲み出る雰囲気の違いこそ
人間の面白みともいえる。
上ばかり見て卑屈になるわけでも、下ばかり見てうらやむわけでもなく、
今の自分を、その年代をどう生きるかが、やっぱり重要だな~。
そんなことを考えていたら、
朝の番組で、今週末公開される
映画『石内尋常高等小学校 花は散れども』を紹介していた。
これは、現在、95歳である新藤兼人監督の最新作。
いやはや、70代ぐらいで、一生涯・・・ぐらいに
思っている私には、想像もつかない立ち位置に
いらっしゃるお方。
芸能の神様は、
意欲のある人間には、
とことん、パワーを与えてくれるらしい。
恐るべし、芸魂。
もう40代、などと思っていないで、
私も奮起デス!