普通の家庭で、
普通の暮らしをしたい。
それが、私の小さい時の夢だった。
両親が居て、
お金もそこそこあって。
そして、学校から帰ってきたら
お母さんが『おやつよー』
と言ってくれる。
憧れたなぁ・・・。
別にそのときの暮らしが嫌だったわけでも
貧しかったわけでもない。
ただ、何か足りなかったのだ。
私は、実の父親は知らない。
母が一人。
そして、幼い頃は祖父と祖母と一緒に暮らした。
とは言っても、私が生まれたのは25年ほど前。
女の人が一人で子供を育てるのには
かなりの試練があっただろう。
しかし、母は弱音一つ見せず、
もくもくと働いていた。
外見もそこそこの美人。
仕事も男勝り。
私にとってとても自慢の母だった。
祖母は私の身の回りの世話をよくしてくれた。
彼女の作るご飯や洋服は私の大好きなものだった。
祖父はどんっとしていて、
優しさの中にも威厳があり、
でも可愛らしさもあった。
私にとっては父代わりとでもいうのだろうか。
単純に好きだった。
家族構成はこんな感じだろうか。
(2)へつづく。
