今回は休学延長決定でヒマを持て余しているなーへ『呼吸不全と拘束性肺疾患について知りたい』というご要望を受けまして
ちょっとまともな?お勉強シリーズ
ですm(_ _)m解剖生理学の基礎部分は長くなるので割愛…
それ位知っとるわ(`ε´)というクレームは受け付けませんw
ちゃうわっ(`ヘ´)ってのは素直に受け付けます
あっ無駄知識も募集中w
そしてもっと詳しく知りたい人には『受け売り資料』提供します←えっ…まぁ冗談ですが…
ちなみに受け売り資料はなーにはめっちゃわかりやすかったです…図付きだったし(=´∀`)人(´∀`=)
今回は呼吸器。
そもそも拘束性肺疾患ってなんじゃい!!と言う方の為に『呼吸機能障害』について簡単に書かせていただきますm(_ _)m
呼吸機能障害は通常『外呼吸の異常』を指します。
呼吸に異常が生じると程度の差はあるがPaO2が低下し、呼吸不全では場合によってはPaCO2が上昇。
呼吸機能の異常の原因を解剖生理学的に大別すると7種類。
ただし、この分類ではすべての肺疾患を分類することは出来ません。
分類
1)正常
2)閉塞性肺疾患
→気道系の問題や肺胞の障害(肺気腫)により肺胞内の使用済みの大気を呼出できない状態。換気・血流ミスマッチが生じる(初期例で健常部分が残存している場合)
3)拘束性肺疾患
→小葉(肺胞・肺胞道・呼吸細気管支・終末細気管支付近)の周辺の障害により小葉の弾力性が低下、大気の吸入が低下した状態。肺胞換気低下。
※肺胞自体の原因により肺胞の動きが小さくなる。
4)拘束性胸壁疾患
→胸郭の異常(胸膜炎・胸膜癒着)や胸郭を支配する神経異常(重症筋無力症)による胸郭運動障害により結果的に小葉での大気の吸入が低下した状態。肺胞換気が低下。
※周囲の力により肺胞の動きが制限される。
5)肺血管疾患
→肺胞周囲の血管障害により呼吸機能異常のみられる状態。
肺毛細管での血流の遮断、血管抵抗の増加により肺胞でのガス交換不全。
6)肺水腫
→肺毛細管より左心への血流阻害により肺胞周囲の肺毛細管に水分が貯留することによるガス交換不全。
7)換気調節障害
→呼吸(換気)自体は延髄にある呼吸中枢によりコントロールされているが、この換気調節が明白な病変(器質的疾患)がないにも関わらず、上手く動かなくなった状態。
※肺胞の大きささ弛緩・収縮は正常、運動の頻度・回数の低下や必要な時に必要な回数の動作出来ない状態。
呼吸不全
外呼吸異常のために内呼吸が正常に行われず、生体が正常の機能を営むことが出来ない状態。呼吸機能障害の程度が高じ呼吸不全となる。
原因を問わずPaO2の低下。厚労省特疾呼吸不全調査研究班の診断基準はPaO2<60mmHgだが、肺胞低換気が合併するとPaCO2が上昇。
病型は2種類。
肺胞低換気(PaCO2の上昇)の有無で分類。
『低酸素血症性呼吸不全』
→1型呼吸不全。PaCO2<45mmHg。
『低換気呼吸不全』
→2型呼吸不全。PaCO2>45mmHg。
※慢性呼吸不全では1型・2型の混合型。
病態生理
呼吸不全では低酸素血症・高炭酸ガス血症(高二酸化炭素血症)を伴う。その発症機序を肺胞・肺毛細管を中心に分類。4パターンが提唱。
1)肺胞低換気
→肺胞の換気障害。肺毛細管に酸素を供給、二酸化炭素の回収を肺胞が行っているが、肺胞が障害されるために肺胞中PaCO2が肺毛細管より高くなり、二酸化炭素の肺毛細管から肺胞への動きが遮断、圧較差により肺胞から肺毛細管の方へ流れ、毛細管中のPaCO2が上昇する。
間質性肺炎
肺線維症
呼吸筋障害
肺・胸郭異常
延髄呼吸中枢異常
→次項『拘束性肺疾患』参照
2)換気・血流ミスマッチ(1型呼吸不全=低酸素血症性呼吸不全)
気道等の障害により、一部の肺胞への空気流入量が低下した状態。その肺胞に接する肺毛細管への血流は保たれている。
新鮮な大気供給を遮断された肺胞を代償し、健常な肺胞がオーバーワーク気味に換気するが肺毛細管が酸素を過剰に取り込むことは出来ないのでPaO2が低下。換気応答(PaCO2↑・PaO2↓で呼吸中枢が呼吸促進)がしっかりしている場合、健常部分が代償的に過剰排出するためPaCO2は上昇しないが、換気応答が低下するとPaO2↓+PaCO2↑。
肺炎
慢性気管支炎初期
3)AV(arterio-venous)シャント
→静脈血が肺胞気に未接触で左心系に流入する状態。
ファロー四徴症の心室中隔欠損(酸素投与でもPaO2が上昇しない)
4)拡散障害
→肺胞・胞隔の肥厚、肺胞面積の減少により肺胞と肺毛細管のガス交換障害の状態。肺胞から肺毛細管への酸素移行低下、肺毛細管から肺胞への二酸化炭素排出低下(重症例)し、結果としてPaO2が低下し肺胞・肺毛細管間が肥厚。
間質性肺炎(肺線維症)
臨床症状
1)低酸素血症
一般症状
呼吸困難・頻呼吸・チアノーゼ・乏尿
神経系
視力低下→意識消失
循環系
心拍出量の増大
造血系
赤血球増加
換気応答
低下(低酸素血症が継続した場合)
※意識消失→低酸素→代償により心拍出量の増大→代償性に腎でEPO(エリスロポエチン)産生増加→赤血球増加
※低酸素血症継続→換気応答低下→肺胞低換気→高炭酸ガス血症
※長期低酸素血症→肺毛細管の血管抵抗増大→肺高血圧症
2)高炭酸ガス血症
一般症状
頭痛・うっ血乳頭・振戦
神経系
脳血管拡張作用・頭蓋内圧亢進・脳浮腫
循環系
交感神経緊張(心拍出量増加・血圧上昇)←軽症時
高度のPaCO2上昇→心拍出量低下・血圧低下→ショック・肺高血圧症
アシドーシス
肺胞のCO2⇔CO2+H2O⇔Hイオン+HCO3イオン
(1)非重炭酸系の緩衝(Hb・蛋白など)
CO2+H2O→H2CO3+Bufイオン→HBuf+HCO3イオン
(2)時間経過後腎性代償(数時間後~最大一週間)
水素イオンの分泌と重炭酸イオンの産生・再吸収
拘束性肺疾患
間質性肺炎
肺の炎症による肺が線維化する病態。ここでの間質は血管内皮細胞と基底膜で囲まれた部分のこと。
線維化のメカニズム
なんらかの肺障害
↓
基底膜損傷と炎症細胞浸潤
↓
炎症細胞、特にマクロファージが線維化を促進する生理活性物質(TGF-β)を産生
↓
肺胞付近に線維芽細胞浸潤
↓
肺胞付近の線維化と肺胞虚脱
↓
肺構造の再構築
↓
肺が硬くなる
↓
肺のコンプライアンス(弾力性)低下
間質性肺炎の呼吸不全のメカニズム
肺の線維化→肺が硬くなる→肺活量及び全肺気量の減少→進行時低換気・2型呼吸不全
肺の線維化→肺胞・毛細管間の肥厚→拡散障害による呼吸不全(初期)
主な間質性肺炎の分類
1)特発性(原因不明)間質性肺炎
→血管内皮細胞と基底膜間にマクロファージ等の炎症細胞浸潤、それに刺激され線維芽細胞が増生し線維化、肺胞の動きが制限される。
呼吸不全初期は換気障害ではなく肺胞・毛細管間の肥厚による拡散障害に起因。頻呼吸により高炭酸ガス血症を阻止するが、進行すると(低換気・2型呼吸不全)高炭酸ガス血症も出現する場合あり。
臨床症状
労作性呼吸困難・乾性咳そう・肺野聴診で捻髪音(fine crackle)の1型であるベルクロ(Velcro)ラ音・バチ状指・チアノーゼ
検査所見
肺活量・全肺気量の減少
肺拡散能低下
LDHの上昇(肺障害反映)
高γグロブリン血症
ときに抗核抗体陽性
RA因子陽性
胸部X-rayでスリガラス様陰影
2)過敏性肺臓炎
→吸入されたアレルゲン(カビや無機物質の反復吸入)により肺胞近くのマクロファージなどの炎症細胞が賦活化された結果、線維芽細胞増生・線維化。
※3型及び4型アレルギー反応が細気管支から肺胞にかけて起こる結果発症する『びまん性肉芽腫間質性肺炎』である
農夫肺…カビの生えた飼料、好熱性放線菌
木工肺…カビの生えた木屑、真菌
鳥飼病…鳥糞、鳥類蛋白
空調病…汚染された換気装置、真菌
3)薬物性肺臓炎
→薬物が免疫系に作用した結果、肺胞近くのマクロファージなどの炎症細胞が賦活化された結果線維芽細胞増生・線維化。
抗癌剤:ブレオマイシン
抗生物質:ペニシリン
その他:小柴胡湯、インターフェロンα
4)塵肺
→吸入された粉塵などがアレルゲンとにり、肺胞近くのマクロファージなどの炎症細胞が賦活化された結果、線維芽細胞増生・線維化。
※拘束性障害と拡散障害を呈する。石綿肺症などがあり過敏性肺臓炎に似た病態。
5)その他
胸膜炎や胸膜癒着により胸郭の動きが制限された状態
→結核性胸膜炎後に見られる場合あり
胸郭の動きを支配している神経異常により肺胞の動きが低下
→重症筋無力症・筋萎縮性側索硬化症・ポリオなど
――――――――――――――
おいおいもう少し詳しく書くようにはしますが…こんな感じみたいです。
そういえばサルコイドーシスも拘束性に分類された気がします。
病理学的には『類上皮細胞肉芽腫』が気管支・血管束・小葉間隔壁・胸膜下リンパ流路にそって分布。肉芽腫の分布は両側性で上葉に著明。
→詳しくは…ぐぐってw
というのはうそです。また書きます。
9月だったかなー?
指導医と研修医が症例検討?しながら、診断していくというNHKお馴染みの番組で『夏型過敏性肺臓炎』の話が少し出ていて…
まぁ結果的には『気管支喘息の発作治療で数日間使用していたステロイド剤点滴を辞めたことによる急性副腎不全』という違う疾患でしたが…
その中での症状などは気管支喘息と症状が似ているようで…その判断が難しいところ。
家に帰ると発作が起きて、病院に入院すると治まる…と言うところからの判断をされていました。
大して差はなかったように思えたけどきっと違うんでしょうねw
ちなみになーの推理は結論より先に正解\(^o^)/
やったー!研修医より早かったー(^_^)v
なんて(笑)
ちなみに
吸ってー吐いてー吐いてー吐いてーもう吐けないと思ったら思いっきり吸ってーー吸って吸って吸ってーまだまだ吸えますよーまだまだいけます!頑張ってーこれ以上吸えないと思ったら思いっきり吐いて下さい吐いてー吐いて吐いて吐いてーまだまだ吐けますよーまだまだ吐いて吐いてもー吐けないって位まで吐いてー…まだ出てます!!いけます!!頑張って…ダメなら吸っていいですよ!
という地獄のような『呼吸機能検査』では…
ん?うそだろーって?
いやいやいや、マジです。
本当にあれは地獄です。
目の前の検査技師さんを検査じゃなかったら本気で落としにかかりたいくらい地獄ですw
と、冗談はさておき…
呼吸機能検査でしたね。
この検査で何が分かるのか。
それは肺活量や1秒率(1秒間にどの位呼出出来るのか)をもとに
拘束性肺疾患は『拘束型』
閉塞性肺疾患は『閉塞型』
と出ます。
中には正常値で出る場合や混合型と出る場合もありますが…
閉塞性肺疾患は2種類に大別出来ます。
気管支喘息や急性気管支炎などの『急性閉塞性肺疾患』
肺気腫や慢性気管支炎などの『慢性閉塞性肺疾患(COPD)』
がありますがこれ以上は文字数の制限がありここには書ききれないので、次回のちょっとまともな?お勉強シリーズにでも書きたいと思います。
以上。
ちょっとまともな?お勉強シリーズ-呼吸機能障害の分類と呼吸不全・拘束性肺疾患part1-でした。
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