原作は小説の『ファウンデーション』。百科事典財団。前世紀半ばの名作だ。
戦争なんてろくにしないのに、さまざまな危機を機略で乗り越えるのが秀逸。
これは超人的なヒーローの活躍する、力任せなよくある駄作と違い過ぎる。
さすがにマンガ版は読みやすい。さらりと三巻読破。って……
なんで三巻目がひたすらネットの広告にアップされているかわかった。
17年にうわさされる、『銀河英雄伝説』のリメイクにあやかってだ。
かの日本巨匠、田中芳樹・銀英伝の原点、などと宣伝されるわけは……
過去の天才アシモフ・銀河帝国興亡史の主人公が金髪の青年将軍なんて、
原作の小説版からではあり得ない振れ込み文句だもの。
一巻と二巻には、とくに誰が主人公とは書いていないのが証拠。
アシモフ氏はただでさえ比類ない巨匠だから、
出版社そんな姑息なことしなくてもよかったのに……
にしてもいいコミックだ。
かっこよすぎる登場人物たち。
戦争なんてしないのに、英雄を描き切っている。
個人的には二巻目の商人ホバー・マロウ最高。
活字がイラスト化されると、こうも映えるかとびっくり。
三巻目は……故意に展開引き延ばしたな。まあ秀作だが。
銀英伝しか知らない人が読んだら恐怖する終わりだろう。絶望すらするかも。
いや、心理歴史学の歴史的必然ってすごすぎ。
しかし、かなりはしょられているから、
もちろん活字版の原作を知った方が楽しめる。
原作はアシモフ氏、ものの二十歳ころ作ったらしい。
レベルが違い過ぎる。
ハヤカワ文庫で『ファウンデーション』として刊行されている。
ちなみにほかの出版社からもだが、訳が違うらしい。