私はおととしの手術の前後にトラムセットという薬を限界服用(一日八錠)していた。調べると解るが、これは『麻薬』に分類される。
 そのため執筆がむしろはかどったのではないだろうか。一日三千文字ノルマだったな。
 ヤクによる幻覚、幻聴、そして妄想。これらは創作するのにとても活用できる。
(というか、自分で執筆した感覚が無いのだ! むしろなにかに憑かれていた感がある……終始意識朦朧としていたし)
 とにかくこの期間は実に執筆に励んでいた。
 
 その薬を使用しなかった(別の薬だった)去年はむしろ拙作のレベルと執筆ペースが落ちた様子だ。
 しかし、以前より読書と学習に時間を割いていた点もあるが。
 
 トラムセットは脳内麻薬(オピオイド受容体)とやらに関連する、アヘン、モルヒネ系統薬か。これさえあればバリバリ執筆できる!
 ……が、そんな薬どこで手に入るというのか。こんな病気でもしなければ処方してもらえない。無しでは痛みで立ち上がることすら無理というくらいの状態だった。
 
 一部のプロでは、仕事のために麻薬に手を出すスキャンダルがたまにあるが、その気持ちが少し解った。身も蓋もない。
 
 
 今年早々に最後の手術を終え、早今年も一カ月過ぎた。リハビリも順調、もう杖なしでも歩けるくらいに回復している。
 年内の就職は無理と言われたが(医師から就労不可が出ている)、職探ししないと。しかし時間にあせる気はない。