このテーマは「作品感想」、接した小説漫画ゲームなどの私の個人的な意見をつづっていたが。今回は視点を変えて拙作のこと。
 
 ここ数年乱造しているうちに、かなりの駄作も生まれた事実は否めない。
 真剣な切り口で臨んで人気が高かったのはファンタジー『妖精伝奇』サイバーパンク『ステイルメイト』童話『勇賢くんの冒険』かな? 『竜騎兵同盟物語』『籠の鳥伝奇』や『東京新撰組』も気合入れて作った。
 
 だが拙作でほぼ共通していえるのは、ストーリー、特に冒頭に明確な「動機」が欠けることだろうか。キャラたちが動く根拠となる理由や、ストーリーの目指すテーマがなかなか見えてこない。なにが訴えたいのかわからないだろう。
 
 責任転嫁みたいだが、この理由は私が愛読するファンタジー『ドラゴンランス戦記』(マーガレット・ワイス著)によるかもしれない。
 この小説では壮大な大風呂敷(真の神々の印とかを探す)を広げてあり、別れて各々の旅に散っていた仲間たちが冒険から帰って集結するシーンから始まるのだが、それに関してはキャラ全員目的に失敗と言ってよく、直接は関係ない(と、思える)巻き込まれたトラブルから逃げる……で始まる。
 そこに至る以前の冒頭の引きもおそらく弱いだろう。後の重要キャラが出るとはいえ、序盤では脇役だしあのワンシーンだけを読んでもまるで意味が通じない。直接ストーリーにはすぐに関係ないし、なにより最初からキャラが多すぎる。まあ大長編だから通じて読めば各々の個性が解るが、たいていのひとは最初でつまずいて読まない。
 通して最後まで読めば傑作であることは、過去繰り返し述べたが。ちなみに各章の終わりだけ見ても、そこでストーリーがある意味完結、といっていいほどかっこよく、完成度が全般に渡って高いし。
 
 むろん拙作ではそこまでの魅力は無い。これからはストーリーを引っ張る動機について重点を絞り執筆したい。まあ息抜きに作っている自作にはあまり関係ないが。それに気合入れて作った超大重厚路線より、お気楽な乗りの悪ふざけ作の方が評判良かったりするし。まだまだだな。