ペオース・ウィン(ペオシィン)主人公。十三歳の少女。身長146センチ、黒いさらさらな髪、琥珀色の目。記憶を失っており、断片的に過去を取り戻していく。魔人とされたが、自身では魔力を自覚していない。指先ほどの長さの小さなナイフ、スティレットのみを頼りにしている。自分のことを馬鹿と思っているが、極度の専門馬鹿でその能力は恐ろしい。やがては究極の時空間魔力であるエナジーバーストを使う。当てのないさすらいの果てに彼女が見るものは……
ラド・ウル(ラドゥル)正確な年齢は分からないが、十六、七より上ではなさそうな少年。身長177センチ、やせぎす。くしをいれないぼさぼさの茶髪、漆黒の瞳。非力で無学だが拳銃の至近距離での連発を得意とする。魔人としてウェーブドライブ、波動(電磁波)を自在に操る。戦いを無益有益問わず徹底的に嫌うが、勇敢で優秀なガンマン、同時に竜騎兵でもある。
ソーン・イング(ソング)十九歳の新任シント共和国士官。機甲戦闘機隊隊長を任される。華奢な身長148センチ、艶やかな漆黒の長髪、翠の瞳。ペオ同様、魔人ではあるがそれに当初は覚醒していない。潔癖で際立った美貌の持ち主。兵法軍略、戦術には通じるが、非力さ故、戦闘機操縦も含め前線勤務は不得手。魔力はシーカーセンサー、魔法の耳目。
ティール・イス(ティルス)二十一歳の新米キュート王国騎士。もっとも兵士としては十六歳から前線にいた。国王ハガリドの庶子、王子ともなりえた男。身長193センチ、筋骨隆々の天性の戦士。ブロンドの髪に碧い瞳。卓越した竜騎兵であり、剣士としても有能。高潔で名誉を尊ぶ。魔人としてマインドブラスト、精神誘導術を使う。
ハガル・ニイド(ハガリド)キュート国王。先王嫡子ではあるが何代目かは不明。年齢は百七歳。身長204センチ、歳老いてなお膂力衰えない。魔人、騎士、竜騎兵として未だ絶大な力を有している。豊かな白髪の長髪をなびかせる。碧い瞳。小国に過ぎなかったキュートを侵略戦争で拡大させた。いまなお前線で指揮を執る堂々たる猛将。魔力は、不死。
総統(第一市民)シント共和国のすべての電子情報機器を司る、絶対不可侵の総統。先天的な障害で眼球が無く、性の欠落した十二歳、身長152センチのか細い身体に、手入れのされたくせのあるプラチナブロンド。瞳があれば大層可憐であろう容貌。自身が障害者であるためか、平和主義で寛大。強大な情報処理能力を有するが、魔人ではない。
オス・シゲル(オスゲル)オスゲル帝国始皇帝。キュート国王ハガリドの双子の妹。つまり百七歳、魔力は不老。不死ではないが、少女のままの若さと美貌をいつまでも保っている。いずれ若き身のまま死ぬ運命の儚さ故、自己に欠落した力を欲している。身長157センチ。美しい煌く赤毛に碧い瞳。
フーハク(風伯)一見ただのみすぼらしい、呑んだくれオヤジ。五十五歳、身長158センチで酒樽のように太っている。温和で無能に思えるが、格闘技その他一戦士としての能力は、極めて秀でている、のに平和主義者。暴行を受けた皇帝になる前のオスゲルの私生児。魔人ではない。帝国伯爵。
ウシ(雨師)オスゲルの夫、美形な優男の帝国将軍。三十四歳。軍略に秀でる。一介の戦士としては貧弱で、軍師参謀として辣腕を振るい、帝国を拡大させた。冷淡な戦略家であり汚くとも手段を選ばないが、正々堂々たる年上の義理の息子フーハクを尊敬している。魔人ではない。身長172センチ。
ハシ(土師)オスゲルとウシの息子、皇子にして帝国公爵。十五歳の美少年だが卓越した暗殺者。弓、銃の射撃、ナイフの投擲、毒物、罠、隠密行動に長ける。華奢で非力なのに剣を始め武術も達者なのだが、実戦では使いたがらない。魔人ではない。愛する母が不死なので、自分は帝位に就くつもりは無い。身長174センチ。個人の技量としてはフーハクに迫る。
ケン・エオロー(ケネロー)キュート王国将軍の女魔人。他人の思考を読み取るブレインリーダーの使い手だが、それは隠している。帝国の暗殺者ハシと密約を結び依頼し、魔力を自己の欲望に使おうとする魔人の危険分子を抹殺してきた。しかし不死としての孤独なハガリド王のことは憐れんでいる。王国内に、自治領を認めさせてもらっている。身長156センチ、四十七歳。
リティン シント技官、主任技術士。天才的な技術設計手腕を有するが、出世するにはTPOに決定的に欠ける。168センチ過労で常にやつれ気味。しかし目は常に冴えている机と戦うエンジニア。三十四歳、魔人ではない。
クワイエット・ラプター(独学心理学者)、アーダ・フローラ(独学心理学者の筆)、イノセント・レパード(独学心理学者の剣)……ゲストキャラクター三人組。アメブロ創作同盟、月村澪里さまの創作人物。本作ではシント士官従軍心理医師心理戦隊(ソングの同僚)。魔人ではないにしては比類ない実力を秘めている。
ブレード 騎士ティルスの飛竜。神経質だが、決して臆病なわけではない。体長四メートル強と飛竜としては小型で、速度、火力、防御力は劣るが機動性は極めて高い巴戦向きのドラゴン。美しい黒銀の鱗をしている。
ハーケン ラドゥルの騎竜。牙爪の攻撃力と最大速度が驚異的な、白兵戦型の竜。反面機動性は劣る。体長六メートル弱の体格の良い巨竜。
シザーズ ペオの騎竜。最高の最大速度、優秀な機動性を有する一撃離脱戦向きの竜。弱点は防御力。体長五メートルの痩せ形の飛竜。
ニードル ソングの騎竜。速度と機動性が極めて秀でる偵察向きの竜。攻撃、防御は極端に弱い。
アクス ハガリド国王の騎竜。攻撃力、防御力とも最強な巨竜。反面機動性と速度は劣る。
アエロ、オキュペテ、ケライノ ソングの登場するシントの戦闘機、大きさ順。生き物ではないが、秀でた電算処理能力は人工知能に近い。
追記 混乱を防ぐために述べると、この作品は半ば三人称視点、半ば一人称視点です。同じ章内では複数の視点とはなりません。視点はペオシィン、ラドゥル、ティルス、ソングの四者のみにしようと一応しています。