魔言 ハッカー悪魔使い カオス、マシンガン装備。十四歳、身長154センチ
時雨 天然危険物格闘家 カオス、武装はしない。十三歳、149センチ
直人 ハンドガンの名手 カオス、拳銃装備。二十二歳。164センチ
涼平 不幸な迷える子羊 ロウ、三節棍装備。二十二歳。176センチ
真理 鉄壁潔癖装甲少女 ロウ、マシンガン装備。十九歳。156センチ
逢香 剣道・新体操選手 ロウ、青龍刀装備。十八歳、171センチ
時は世紀末199X年、東京新宿にて……
時雨「この面子さすがに無理がない?」
直人「三人カオス(混沌、自由)で三人ロウ(秩序、法規)とはバランスが良いぞ」
涼平「俺以外の男、全員カオスかよ!」
直人「良かったな、女二人ともロウで」
魔言「六人パーティーでは仲魔を呼べないな。俺の本領が生かせない」
真理「というか、ニュートラル属性いないのね」
逢香「そうね、パーティー組めたのが不思議ね」
涼平「直人はよく、ベレッタ拳銃なんかで戦えるな。マシンガンにしたらどうだ?」
直人「これはコメ基地で手に入れた、特製弾頭だ。鉛弾頭なんかとは威力が違うよ」
涼平「まさかあれか?! うわあ、近寄るなよ! つ~か廃棄しろ! ガンになったらどうするんだ」
直人「これは拳銃、つまりガンだが、なにか? 涼平こそ三節棍なんかで白兵戦しているだろ」
涼平「時雨なんて素手だぜ! 逢香は青龍刀、魔言に真理はマシンガン」
時雨「誇り高い男は素手で戦う……」
直人「そのセリフは聞き飽きた。おれはハンドガンにすべてを賭ける」
涼平「この面子からいくと、前衛は俺、時雨、逢香だな。魔言、直人、真理は後衛だ」
直人「ところで。おれはコメ大使トールマン倒すぜ! あいつ気にいらねえ。日本を滅ぼしかねない」
涼平「俺は反対だ。クーデター起こした自衛官後藤のヤクザ野郎倒すべきだ」
直人「あん? おまえおれに喧嘩売っているのか?」
涼平「つもりはないが、別にそうとってかまわない」
時雨「喧嘩はやめなよう。僕たち似たような環境下で全滅したような記憶あるようなないような……」
魔言「COMPに反応! 悪魔が近いな。全員、臨戦態勢を執れ!」
時雨「なんだ、動く骸骨か。剣に盾持っているけど」
魔言「闘鬼スパルトイだ! 十体か、こいつは手強いぜ」一体に集中してマシンガンを叩き込み粉砕する。
真理「化け物! 嫌ぁあああっ!!!」マシンガンを乱射連発する。
直人「真理のマシンガンはお祭りだな、ろくに命中弾ないじゃないか。良く狙って……」拳銃で正確にスパルトイの頭蓋骨を貫く。
時雨「なんだ、軽いや」スパルトイを背後から持ち上げると、激しいボディスラム、それも頭落しを喰らわせる。スパルトイは首の骨が折れた。
逢香「堅い! 骨に刃が効かない」青龍刀を敵の刀と切り結ぶ。
涼平「任せろ、三節棍なら一撃だ」言うや横合いからヌンチャクの親玉のような武器で、スパルトイを叩きのめす。
こうしてあっさり六人組パーティーは四体の敵を倒し、残り六体となっていた。これで数で対等、しかし受けたダメージも黙視できなかった。
直人「前に出過ぎたか! おれとしたことが……」傷ついた利き腕の右手をかばう。「しかし拳銃は片手で扱える。それにスイッチできなきゃガンマンじゃねえ」
真理「大丈夫、直人? わたしをかばったの?」
直人「おれはそんな殊勝ではないさ。それより、念のため退路のサポートに回るぜ」
真理「後で手当てするわ。薬箱くらい持っているもの」
時雨「ほんもののデビルバスターは、魔法が使えるらしいけど。回復呪文とか」
涼平「現実はクール&ドライさ。魔法だなんてそんな御都合主義あるかよ。俺も左肩かすった。マジ痛えや」
逢香「わたしは無傷だけど……時雨ちゃん大丈夫?」
時雨「え? 僕なんともないよ」
逢香「背中ざっくり割られているわよ、ひどい重傷!」
時雨「ええっ! 僕死ぬの? 嫌だよう、助けてよう、いまになって痛いよう!」
真理「落ち着いて! 即死はしないはず、戦いが終わったら消毒と止血して縫合するから」
魔言「俺は無傷だ。やるぜ!」マシンガンの一点照射と共に、第二ラウンドが始まった。真理もマシンガン乱射する。
逢香「わたしは最前列に! 受け身に徹するわね」
時雨「仇!」スパルトイに組みつき、柔道の払い腰で打ち倒す。寝技は使わず、足でアバラを踏み折る。
涼平「おらおら! とっとと沈みやがれ」三節棍が派手に踊った。
直人「黄金の右、いぶし銀の左!」左手で拳銃狙撃する……! 弾丸が時雨の右肩に命中した! 弾は貫通し、スパルトイの胸部を砕いたが。とんだ誤射である。
真理「なにやっているの、直人! 仕方ない、時雨くんこれ飲んで」薬瓶を時雨に渡す。
受け取った瓶を飲み干す時雨。? たちまち表情が変わった。いつもの柔和さが消え、眼がすわっている。
時雨「うがあぁあああああああ!!!!」吠えるや、残ったスパルトイに突っ込んでいく。格闘技を超越した働きであった。殴る、蹴る、弾く、流す、かわす、投げる、締める、払う、潰す、捻る、砕く……
動く敵はもはやいなかった。しかし戦いは終わらなかった。時雨は、恐ろしい形相で直人ら仲間の五人に向かってくる!
直人「うわあ! なにを飲ませた、真理?」
真理「マッスル・ドリンコよ。良く効くけど副作用で精神錯乱するの」
直人「涼平、取り押さえろ!」
涼平「無理言うな! 事実上最強、悪魔どもに素手で戦い抜くようなヤツ相手にできるかよ!」
魔言「同感! こうなったら手は一つだ」
直人「賛成、ずらかれ!」
真理「追って来るわよ!」
魔言「寄るな! 近づくんじゃねえ!」しかしたちまち間合いを詰める時雨。全身を急速反転捻りしての、強烈な裏拳を頭に喰らい、魔言は気絶した。
直人「ひええ! 許して!」直人は時雨の相撲技うっちゃりを受け倒れた。
涼平「負けるとわかっていても、俺は正面から戦いながら死ぬぞ! 討って来い、少年!」言うや、三節棍を振り回す……が、時雨に奪われた。ぐいっと引っ張られるかたちで態勢が崩れたところを、背負い投げ決められ涼平は失神した。
逢香「ごめんね」背後から青龍刀の峰で時雨の延髄をドガッと強打する。時雨は倒れた。「真理、手当てお願い。時雨ちゃん無事治るかしら……」
真理「わたしの責任もあるけど、野郎どもは全滅か。これだから男はダメなのよ」
語る二人であるが、女を守り決して手をあげないのが男の中の『漢』の本懐である。おそらく彼らは死しても本望だったろう。
以上、かくあるようにジェイルバード隊員たちは時代を超え世界を超え永遠に漂流を続ける……
(終)
時雨 天然危険物格闘家 カオス、武装はしない。十三歳、149センチ
直人 ハンドガンの名手 カオス、拳銃装備。二十二歳。164センチ
涼平 不幸な迷える子羊 ロウ、三節棍装備。二十二歳。176センチ
真理 鉄壁潔癖装甲少女 ロウ、マシンガン装備。十九歳。156センチ
逢香 剣道・新体操選手 ロウ、青龍刀装備。十八歳、171センチ
時は世紀末199X年、東京新宿にて……
時雨「この面子さすがに無理がない?」
直人「三人カオス(混沌、自由)で三人ロウ(秩序、法規)とはバランスが良いぞ」
涼平「俺以外の男、全員カオスかよ!」
直人「良かったな、女二人ともロウで」
魔言「六人パーティーでは仲魔を呼べないな。俺の本領が生かせない」
真理「というか、ニュートラル属性いないのね」
逢香「そうね、パーティー組めたのが不思議ね」
涼平「直人はよく、ベレッタ拳銃なんかで戦えるな。マシンガンにしたらどうだ?」
直人「これはコメ基地で手に入れた、特製弾頭だ。鉛弾頭なんかとは威力が違うよ」
涼平「まさかあれか?! うわあ、近寄るなよ! つ~か廃棄しろ! ガンになったらどうするんだ」
直人「これは拳銃、つまりガンだが、なにか? 涼平こそ三節棍なんかで白兵戦しているだろ」
涼平「時雨なんて素手だぜ! 逢香は青龍刀、魔言に真理はマシンガン」
時雨「誇り高い男は素手で戦う……」
直人「そのセリフは聞き飽きた。おれはハンドガンにすべてを賭ける」
涼平「この面子からいくと、前衛は俺、時雨、逢香だな。魔言、直人、真理は後衛だ」
直人「ところで。おれはコメ大使トールマン倒すぜ! あいつ気にいらねえ。日本を滅ぼしかねない」
涼平「俺は反対だ。クーデター起こした自衛官後藤のヤクザ野郎倒すべきだ」
直人「あん? おまえおれに喧嘩売っているのか?」
涼平「つもりはないが、別にそうとってかまわない」
時雨「喧嘩はやめなよう。僕たち似たような環境下で全滅したような記憶あるようなないような……」
魔言「COMPに反応! 悪魔が近いな。全員、臨戦態勢を執れ!」
時雨「なんだ、動く骸骨か。剣に盾持っているけど」
魔言「闘鬼スパルトイだ! 十体か、こいつは手強いぜ」一体に集中してマシンガンを叩き込み粉砕する。
真理「化け物! 嫌ぁあああっ!!!」マシンガンを乱射連発する。
直人「真理のマシンガンはお祭りだな、ろくに命中弾ないじゃないか。良く狙って……」拳銃で正確にスパルトイの頭蓋骨を貫く。
時雨「なんだ、軽いや」スパルトイを背後から持ち上げると、激しいボディスラム、それも頭落しを喰らわせる。スパルトイは首の骨が折れた。
逢香「堅い! 骨に刃が効かない」青龍刀を敵の刀と切り結ぶ。
涼平「任せろ、三節棍なら一撃だ」言うや横合いからヌンチャクの親玉のような武器で、スパルトイを叩きのめす。
こうしてあっさり六人組パーティーは四体の敵を倒し、残り六体となっていた。これで数で対等、しかし受けたダメージも黙視できなかった。
直人「前に出過ぎたか! おれとしたことが……」傷ついた利き腕の右手をかばう。「しかし拳銃は片手で扱える。それにスイッチできなきゃガンマンじゃねえ」
真理「大丈夫、直人? わたしをかばったの?」
直人「おれはそんな殊勝ではないさ。それより、念のため退路のサポートに回るぜ」
真理「後で手当てするわ。薬箱くらい持っているもの」
時雨「ほんもののデビルバスターは、魔法が使えるらしいけど。回復呪文とか」
涼平「現実はクール&ドライさ。魔法だなんてそんな御都合主義あるかよ。俺も左肩かすった。マジ痛えや」
逢香「わたしは無傷だけど……時雨ちゃん大丈夫?」
時雨「え? 僕なんともないよ」
逢香「背中ざっくり割られているわよ、ひどい重傷!」
時雨「ええっ! 僕死ぬの? 嫌だよう、助けてよう、いまになって痛いよう!」
真理「落ち着いて! 即死はしないはず、戦いが終わったら消毒と止血して縫合するから」
魔言「俺は無傷だ。やるぜ!」マシンガンの一点照射と共に、第二ラウンドが始まった。真理もマシンガン乱射する。
逢香「わたしは最前列に! 受け身に徹するわね」
時雨「仇!」スパルトイに組みつき、柔道の払い腰で打ち倒す。寝技は使わず、足でアバラを踏み折る。
涼平「おらおら! とっとと沈みやがれ」三節棍が派手に踊った。
直人「黄金の右、いぶし銀の左!」左手で拳銃狙撃する……! 弾丸が時雨の右肩に命中した! 弾は貫通し、スパルトイの胸部を砕いたが。とんだ誤射である。
真理「なにやっているの、直人! 仕方ない、時雨くんこれ飲んで」薬瓶を時雨に渡す。
受け取った瓶を飲み干す時雨。? たちまち表情が変わった。いつもの柔和さが消え、眼がすわっている。
時雨「うがあぁあああああああ!!!!」吠えるや、残ったスパルトイに突っ込んでいく。格闘技を超越した働きであった。殴る、蹴る、弾く、流す、かわす、投げる、締める、払う、潰す、捻る、砕く……
動く敵はもはやいなかった。しかし戦いは終わらなかった。時雨は、恐ろしい形相で直人ら仲間の五人に向かってくる!
直人「うわあ! なにを飲ませた、真理?」
真理「マッスル・ドリンコよ。良く効くけど副作用で精神錯乱するの」
直人「涼平、取り押さえろ!」
涼平「無理言うな! 事実上最強、悪魔どもに素手で戦い抜くようなヤツ相手にできるかよ!」
魔言「同感! こうなったら手は一つだ」
直人「賛成、ずらかれ!」
真理「追って来るわよ!」
魔言「寄るな! 近づくんじゃねえ!」しかしたちまち間合いを詰める時雨。全身を急速反転捻りしての、強烈な裏拳を頭に喰らい、魔言は気絶した。
直人「ひええ! 許して!」直人は時雨の相撲技うっちゃりを受け倒れた。
涼平「負けるとわかっていても、俺は正面から戦いながら死ぬぞ! 討って来い、少年!」言うや、三節棍を振り回す……が、時雨に奪われた。ぐいっと引っ張られるかたちで態勢が崩れたところを、背負い投げ決められ涼平は失神した。
逢香「ごめんね」背後から青龍刀の峰で時雨の延髄をドガッと強打する。時雨は倒れた。「真理、手当てお願い。時雨ちゃん無事治るかしら……」
真理「わたしの責任もあるけど、野郎どもは全滅か。これだから男はダメなのよ」
語る二人であるが、女を守り決して手をあげないのが男の中の『漢』の本懐である。おそらく彼らは死しても本望だったろう。
以上、かくあるようにジェイルバード隊員たちは時代を超え世界を超え永遠に漂流を続ける……
(終)