『ソードダンサー』
時代は、現代。つまり21世紀初頭。近未来というよりいまの時代であり、現実の世界の裏側を描くファンタジー。舞台は日本、新都心。
現実同様、不景気な世界であり人々の心は(現実並みに)荒んでいる。
遺伝子操作で人間の種を書き換えて誕生した新人類「亜人」を巡る戦い。
亜人は「鬼」「妖精」「小人」などと呼称されるが、順に要するに指輪物語風世界のオーガー、エルフ、ホビットである。版権を避けるため。
本編のストーリーとは関係ない、ドラゴンの誕生と核融合炉の発明が、ほかの小説への伏線になっている。
亜人は従来の人間に危険視され、奴隷の地位に貶められ迫害されている。抵抗する亜人は、「自称」人類を守るヒーロー、ハンターに粛清される。
そんな亜人を救うため、有志のレジスタンスたち(カウンターハンター)が立ち上がる。主人公の少女逢香もその一人。
一方でもう一人の主人公(視点人物)、マーダックはカウンターハンターを手駒に亜人を解放すべく謀略を巡らす。
・主な登場人物
方城逢香 十八歳
神無月真琴 十四歳
横島直人 二十二歳
加科一典 十九歳
『空の運動会』
『ソードダンサー』の続編。一転して平和な日本でトイ・プレーンという小型飛行機が、新たな交通手段として普及しつつあった。その飛行機を使ったスポーツの大会、「空の運動会」の開催が迫っていた。
勤労新学生の主人公、高いところ苦手&暴力沙汰嫌いな平和主義者、気弱で優しい巨漢一典は、同い年のヲタク女性真理に強引に勧誘され、大学のトイ・プレーンサークルに入会する羽目になる。
いっぽうで、トイ・プレーンを悪用しようとする企業もあった。もう一人の主人公(視点人物)、大学の飛行サークル会長逢香(真理の親友)は年下の青年魔言から、陰謀を阻止するよう依頼を受ける。
エアレース、アクロバット、ドッグファイト。空を舞台にした青春小説。
・主な登場人物
加科一典 二十二歳
新庄真理 二十二歳
方城逢香 二十一歳
神無月魔言 十八歳
『シュリーク』
『ソードダンサー』『空の運動会』の過去編。アニメ・コスプレヲタクの主人公女子高生真理の家に、夢か現かドラゴンが現れた……
謎の組織ジェイルバードに所属する青年、涼平に助けられ、うやむやの内に悪徳企業日本中央バイオニクスとの戦いに巻き込まれる。なにが事実か事情がつかめないまま、逃避行となる。
SFファンタジー半々の現実崩壊パニック活劇。視点は真理一人。
・主な登場人物
新庄真理 十六歳
剣崎涼平 十九歳
横島直人 十九歳
シザーズ ドラゴン
『ステイルメイト』
亜流の現代近未来編。西暦2040年、世界は直接民主制(議会決議投票を市民が直接ネット投票して決める体制、現実の間接民主制と違い、代議士を介さない)を迎えていた。
しかしそれは衆愚政治と化し、弱者の権利を奪っていた。そのソフトを開発し、無償で普及させた青年神無月真琴は混乱の中行方不明となる。
こんな現実に背を向け、全世界を巻き込んだ「禁じられた遊び」、前世紀の太平洋戦争を舞台にした架空現実ゲームで、ゼロ戦パイロットとして戦い抜き賞金稼ぎをして暮らす主人公不知火。
史実以上に苦境に立たされたゲームの行方は? バーサクプログラマの駆る電脳架空戦記。