長らく更新をサボってしまったので今回は2021年後半から2022年前半に見た映画12選!
さあ!ネタバレしつつ徒然と感想を述べていくよ!
『半分の月がのぼる空』
ラスト20分、「あっ」となる瞬間、その構造に気づいた時の心のざわめきがたまらない。
原作はヒロインの内面をより時間をかけて描いた作品らしいけど、映画の限られた時間で十分すぎるほどのインパクトを残した。
『帰郷』
地元に帰り久しぶりに会った女性の子供を成りゆきから預り、自分の子と信じ育てる覚悟をした主人公。
そうとしか思えない展開から、実は子供ではなかったというどんでん返し。
決意のプロポーズも何となく断られた男の二日半の出来事を描く。
『惡の華』
コントロールしきれない欲求のぶつけ所を探すヒロイン、それを共有し助けたいと思う男子生徒。
男子生徒はヒロインと交際する彼女との間を危うい天秤のように行き来する。
結果、どちらも失いどちらも「不幸」にした男子生徒はヒロインとの再会を経て、欲求の暴走に依らない新たな人生を歩み出す。
10代独特の暴走する欲求を切なさたっぷりに描いた作品。
『バーン・アフター・リーディング』
CIAを退職した職員の「情報」をめぐって私利私欲がぶつかり合うバタフライエフェクトなサスペンスコメディ。
作中に突如現れる自作した大人のおもちゃ椅子が見所。
『ハード・コア』
山田孝之主演、山下敦弘監督作品。
ギリギリの人間を描かせたら日本有数の山下敦弘が不器用で行き場を失った主人公と謎のロボットの交流を描く。
シリアスだと思えばシリアス、コメディだと思えばコメディ。
山田孝之の持ち味を存分に使った作品。
『小さな恋のうた』
バンドをテーマにした青春ドラマながら、過度に大人を悪者にしない丁寧さが光る。
沖縄が置かれた状況を複数の視点からとらえ、それぞれの無力さを描く。
その中で柵の両側に裂かれた男女の思いを一つの曲に込める。
『永遠の片想い』
韓国のとあるカフェ、バイト先で二人連れ女性客を見かけた男は一人に淡い思いを寄せて声をかけ、二人と友達付き合いを始める。
徐々に三角関係となる三人だが、二人は突然消えた。
数年後、手紙をたよりに二人を探し始める男、しかし真実はあまりに切ない。
子供の頃から二人は病を抱えており、最初に一目惚れのした女性は間もなく、後に両思いになりながらお互いに気持ちを伝えられなかった女性もあとを追うように亡くなった。
病を抱えた二人の女性に束の間の青春を与えた男と二人の女性の線香花火のような物語。
『50回目のファーストキス』
山田孝之、長澤まさみ主演、福田雄一監督作品。
山田孝之独特のシリアスとコミカルの併存が止まらない。
福田雄一のコメディ路線はそれほど強調されてないが、山田孝之が全てをコメディに持っていく。
ストーリーは毎日記憶を失う女性と毎日ゼロから思いを積み重ねていくポジティブな男を描く。
山田孝之の無駄なくらいのエネルギーが映画を強引に成立させていく。
『花とアリス殺人事件』
鈴木杏(花)、蒼井優(アリス)主演、岩井俊二監督の『花とアリス』で描かれた主人公二人の出会いと親交をアニメ化した作品で、キャストは二人が担当。
『花とアリス』では恋に巻き込む花と巻き込まれるアリスという構図だったが、今作では謎解きに巻き込むアリスと巻き込まれる花という構図に。
「謎」で自身を守ろうとする花の心をアリスの好奇心が解きほぐす青春まっただ中の作品。
『ロマンスドール』
「夜の人形」製作のため医療用の型を取ると騙しモデルを募る冒頭のコミカルな展開が、職人役きたろうの演技も相まって秀逸。
その後、モデル(蒼井優)と結婚した製作者(高橋一生)だがその事を話さないでいる。
終盤、この頃には夫の仕事を知っていた妻は病気で残された時間が長くないことから自らをモデルとした人形作成を願う。
苦心の末作られたドールの面影に妻を感じた主人公が切ない。
『コンテイジョン』
謎の感染症との戦いを描いた2011年公開の映画。
コウモリ起源のウイルス、隔離、感染ルートをたどる疫学的追跡、ワクチン開発、家族の悲しみ、デマ、デマを利用した商行為、デマ行為を支援する市民、全てが2019年末に始まった新型コロナ禍と重なる。
『素敵なダイナマイトスキャンダル』
ポルノ表現をめぐる雑誌編集者の右往左往を描いた作品。
松重豊演じる警察と柄本佑演じる編集長による、ポルノの境界線のせめぎ合いがコミカルでたまらなく面白い。