俺が書く。

たぶん、誰かが書かないと誰も書かないだろうから、俺が書く。

別に何かに集中してるときは平気なんですが、
ちょっと気を抜くとうわーってなりますね。

訃報の直後、自分がお参りに行く辺りは
いざ遺骨を目の前にしても、全く実感がわかなかったのに、
ご両親の許可を貰って、友人知人に知らせた後あたりから
一気にいろいろなことを考えてしまう。


16日に日付変わったあたりにアンソニーから電話がありました。

ぼんやりと電話が鳴ってるという意識しかなかったんですが、
なんか嫌な時間に電話が、しかもアンソニーからって漠然と思ってました。

なんだかソワソワしながらバイトへ向かい仕事をしてました。
ツイッターとかを覗くと意味深な書き込みがあったので、
ものすごく嫌な予感が走りました。

そして仕事中にアンソニーに確認して訃報を知りました。


あのカッティングはもう聞けないんだ。
メランコリーをフルメンバーで演奏することはもうないんだ。
飲み会でビニール袋を耳にぶら下げてるとこは見られないんだ。
ギターソロを弾かないリーダーはもういないんだ。
これから先のミスチルの新譜、全部聞けないんだ。
F1ドライバーがどんだけ入れ替わってもわからないんだ。
なんでひとりで一橋の軽音楽部に入ったのか聞きそびれたな。
「2シーター5MT」って曲を作るって約束してたんだけどな。
ラジオの音源送るよって言ってたんだけどな。


パソコンに入ってる懐かしい写真も、
本人が歌ってるデモ音源も、
全部とても大事で残酷です。

新宿のエクセルシオールで喧嘩したことも、
埼玉の奥のほうまで原付で行ったことも、
武蔵村山のドラマでうまい棒取りまくったことも、
今までほとんど思い出さなかったのに、急に思い出しました。


これからどんだけ年老いても、なんだかんだで連絡を取るだろうと思ってた人がいなくなりました。


あの日のピアノの授業で
「まつみくん、軽音楽部入らない？」
って言ってくれなかったら、

あの日の深夜のジョナサンで
「とりあえず、リバプール、１回出よう」
って言ってくれなかったら、
僕の人生はまったく違うものになっていたと思います。

そして彼がたくさん、あんなにいい曲を書いてくれなかったら、
僕の好きな音楽は今は違っていたと思います。

彼と大学で出会わなかったら、
今僕は何をしていたのか、見当もつきません。


意味もなく１２時間ファミレスに滞在して、
煙草吸いまくって、どーしようもない話から真面目な話までしたり。

そういえば英語の授業の時に、
「Go smoking!」の歌詞を書いて「これいいね」って言われた思い出もあります。

初めて煙草に火をつけたのも彼の家でした。
彼の家からの帰り、マイルドセブンの1mgを買いました。


トレパタ全盛期は彼の作曲センスにずっと嫉妬してました。
なんで俺がボーカルなのに、俺の曲じゃダメなんだって思ったことすらあります。
でも、彼の曲をうまく歌える人間になろうと考えを替えてから、
すごくすっきりしました。


本当に、もうどうやってもかちくんと会うことも
話すことも出来ないということ、全く信じられません。


2003年12月18日、立川ペンタ2でふざけて録ったトレパタ座談会が
こんな形で宝物になるなんて思ってませんでした。


そして、gayaさんから貰ったデモ音源。
声はあまりにも生々しく残ります。






ありがとうカチヒロト。

あなたのために何か出来たのかは自信がないけど、
あなたのおかげで、僕の人生は変わりました。


ありがとう。




懐かしきトレパタ写真。
涙が出るくらい懐かしい。