とある数学系youtubeに、次のような面白い問題がありました。

 

「連続した5つの自然数の積が2441880である。この5つの自然数は何か。」

 

この問題は、実際に灘中で出題された入試問題だったそうです。

 

勿論、素因数分解して地道に解けば確実に解けるのですが、

もう少し筋の良い解き方をしてみましょう。

 

・あたりを付ける

 

連続した5つの自然数の中央の数をnと置きます。この時、

連続した5つの自然数は、(n-2)・(n-1)・n・(n+1)・(n+2)=n(n^2-1)(n^2-4)であり、nがあまりに小さくなければ、大まかにはn^5くらいです。

 

2441880=2.44188×10^6

=24.4188×10^5

 

ここで、24<2^5=32に注目すると、nは20付近で20より少し下だろう、と予測できます。

厳密には少し粗い見積もりではありますが、以下ではこの予測を認めて、議論を進めます。

 

・2の指数と3の指数に注目する

 

実際に計算してみると、

 

2441880=2×1220940

=2^2×610470

=2^3×305235

=2^3×3×101745

=2^3×3^2×33915

=2^3×3^3×11305

 

で、2441880の2の指数および3の指数はともに3です。

 

ここでnが20付近であることから、2^4=16であることと、連続5整数に3の倍数は多くとも2つしかないことを考慮すれば、次の2つのことが分かります。

 

・(n-2)から(n+2)までの間に、16は含まれない。…(A)

・(n-2)から(n+2)までの間に、18=2×3^2が必ず含まれる。…(B)

 

nが20付近かつ(A)と(B)により、この時点で考えられる可能性は、

 

n=19(17、18、19、20、21)か、n=20(18、19、20、21、22)

 

ということになります。

 

・11の倍数の判定法を利用する

 

11といえば数秘術でお馴染みのナンバーですが、ある自然数が11の倍数であることの判定法に、「1桁ずつ交互に+-した数が11の倍数ならば、元の数は11の倍数」というものがあります。

この判定法は、3、9の倍数の判定法や、数秘で使う数の割り出し方とよく似ています(「交互に+-」となっているところを「単純に足し合わせる」に読み替えればよい)。

 

例えば、1342であれば

 

1-3+4-2=0

 

で、実際1342=11×122となっています。

 

こうなるのは、10≡-1 (mod11)、10^2≡(-1)^2≡1 (mod 11)

 

であることから、ほぼ明らかです。

 

この判定法を2441880に適用すると、

 

2-4+4-1+8-8+0=1

 

なので、2441880は11の倍数でないとわかります。

 

既にnは19か20であることが分かっていたので、これによりn=20の可能性も消え、求める5つの連続する自然数はn=19の場合、すなわち

 

17、18、19、20、21

 

であることが分かります。■

 

それでは、今夜の一曲です。

DREAMS COME TRUEで「普通の今夜のことを -let tonight be forever remembered」

 

 

元folderのヴォーカリスト、三浦大知のカヴァー・ヴァージョンもどうぞ。