現時点、3位巨人と2ゲーム差でなおかつデーゲームで巨人が劣勢(対中日、2-9)ということを踏まえると、いよいよ東京ヤクルトの昨シーズン96敗からの奇跡の!?今シーズン2位確保が現実的になってきたわけだが、それについて今後カギを握るだろうことを私流に書いてみたい。

 

・キーポイントは広島戦と阪神戦

 

まぁ、両カードはこの先の対戦試合数自体が多い(広島戦12試合、阪神戦14試合:7月28日時点)ので当たり前といえば当たり前だが、それ以上の理由もある。

 

まず、ヤクルトから見て3勝9敗と大きく負け越している広島戦だが、得失点で見ると42-54である。この得失点から推定される(ピタゴラス勝率によって導かれる)勝敗は4勝7敗1分け程度と、実際よりは1.5ゲームほど接戦である。1試合平均失点は4.5、防御率も3.93なので、意外にも広島の強力打線に打ち込まれての大敗、あるいは打撃戦の末の壮絶な敗戦という試合展開は少ないことがわかる。

 

要するに、今年のカープ戦では善戦はするものの終盤勝負で競り負けているのである。これは両チームの実力差、中でもチームとしての成熟度の差、選手層の差が現れていると思われる。これはなかなかひっくり返すことができない差に見えるが、現に3年前はヤクルトが優勝していることを考えると、首脳陣も選手も今年はかなり変わっているので、ヤクルトが残り12試合で五分以上に闘える可能性はそれなりにあると見る。

 

逆に、全体的に見ると貧打が目立つ阪神は、ことヤクルト戦に限っては打撃のチームに変貌する。ここまでの同カードはヤクルトから見て4勝6敗だが、得失点は47-56だ。

つまり、阪神戦では1試合平均で得点4.7点、失点5.6点という乱打戦が繰り広げられていることになる。ヤクルトから見た対戦防御率は4.60で、これは対巨人(8勝9敗)の4.83に次いで悪い。

現状のチーム状態ではヤクルトに分があるとはいえ、阪神もクライマックス進出に向けギリギリまで粘ってくるだろう。阪神というチーム自体が「読めない」チーム過ぎるので、このカードに関しては観戦歴の長い私とは言えども全く予測が立たない。

 

・残り3カードは勝ち越せるはず

 

残るDeNA、巨人、中日戦では、今後の対戦ではヤクルトのほうが有利だと見る。この理由の多くはデータ的なモノではなく、私が長年培った勝負勘によるものではある。

まず中日は、混戦の2~6位争い自体から脱落気味でモチベーションが下がりつつある。森監督が投手出身でしかも厳しい方だから仕方ないのだろうが、近頃ネガティブな発言ばかりされているのも勝負に関しては不利である。

DeNAとは対戦成績が示す通り。それに加えて、やはり同球団は昨年に運とエネルギーを使い過ぎた感がある。その分ヤクルトのほうが足が残っていると見る。

唯一怖いのは巨人だが、やはり何と言っても先日(7月24日~26日)のアウェーでの3タテがでかい。ヤクルトの万年鬼門である東京ドームでの対戦ではないとはいえ、2試合は京セラD大阪なのだから野球の質は同質であり、そこで競り勝った自信は今後の巨人戦全般で生きるだろう。

 

ということで、この3カード(合計25試合)では貯金づくりが十分に見込める。おそらくは、最低でも15勝10敗くらいにはできるのではないだろうか。そのうえで広島、阪神戦を五分で終えれば+5でフィニッシュ。そして、その場合の最終順位は「2位」だろう。

 

上記のようなシナリオは、この先主力選手に大きな故障さえ出なければ十分に(65%がた)実現可能だと見る。

だが、そこは天下の東京ヤクルトだから、最後までどうなるかはまったく分からないけどね(笑)。

 

おしまい