一瞬目標を見失いかけた
SMB市長であったが、
すぐに既存市街の改良に
とりかかった。
 
写真は相模大野駅前で、
正確に言うと町田駅南側や
海老名ららぽーる、林間都市の各一部も含む。
 
各々の駅が近くて分かりずらいが、
一応、相模大野の駅勢圏に含まれるのは
 
北口:ワイナリー、ピザ屋、べーカリー、ハンバーガーショップ、
カフェ、ジェラピケ
南口:八百屋、牛乳屋、魚屋、肉屋
 
という設定である。
周辺が住宅地である南口に生活密着店舗、もう一方の北口に生活を楽しむための店舗を並べたのは、ここ最近の私のフィロソフィーによるものだ。
 
で、一つ気が付いたのだが
SMBの「はじまりの街」は人口は多くても、住宅の数そのものは多くはない(市長宅を除くと93戸)なのに対して、特に町田~小田原間では、相当に商業が盛んである。
 
この結果、「はじまりの街」においては
(市長は除く)93人の代表住民(ゲーム内で人格を持った住民)が
77件のショップと12件の公共施設(うち1件は病院で、
医師と看護師の2人の従業員がいる)に通勤している。
 
このゲームでは、他のエリアからの労働力の流入を想定していないので、求人倍率は90/93(.968)である。しかも、ゲームであるから代わりはいない。
もう少し店舗が増えるか、住居が減ると逆に店舗(ショップと公共施設)の求人数のほうが多くなって、店舗の側が機能しなくなってしまう。
これは、もはや健全な状態であるとはいえない。
 
この不況の世においては、まったくもって贅沢な話に聞こえるかもしれないが、現状でも東京23区でも都心の区などでは「他の区市からの流入者」によって、労働力は賄われている。
つまり、23区という単位で考えれば「労働力は全く自給自足できていない」のである!
 
そしてこれと同じことは、人口減少社会に転じた超高齢社会ニッポンでも必ず起こるのである。もはや「外国人労働者を受け入れない」とか言っている場合でない。
大学だって同じ。
「希望者は全員大学に入学できる」といえば聞こえはいいが、「どの大学に入学できる」かについては言及していないし、学生が減ってまるで儲からない大学側は、学費の値上げをどんどん進めているではないか。
 
ここでは短兵急に結論を急ぐつもりはないのだが、
少しはこういう話に危機感を持った方がいいと私は思う。
生活の質を追えば、「都心」の定住人口が減るのも仕方がない。しかし、そもそも「都市」とは「職住近接」が理想の形なのである。
「ベッドタウン」と「都心」という風に分かれてしまっている現状は、
きわめていびつといえばいびつなのである。
 
このゲームの私の作った都市でいうと
ニュータウンは「ベッドタウン」、はじまりの街は「都心」である。
ちなみに、ニュータウンについて同様の比を取ると
 
35/140(.250)
 
であり、さすがにこれは低すぎる。実際、多摩NTなどは入居者数が計画ほど上がらなかったが、同時にこの数字(求人倍率)も低かったので、現在は多摩センターなどで業務地化が進行している。
 
※:「海の街」の住民は皆のんびりとした生活の中、自給自足していそうな感じであり、これはこれで一つの理想郷である。
 
もし現実に「店余り」の状況が起これば、間違いなく経済は恐慌へと向かってしまうだろう。
重商主義は資本主義を生み、新自由主義へと進化を遂げているのが現実社会である。しかし、効率よく利潤のみを追求する仕組みには、このように矛盾も多いことを、忘れてはならない。