※:この記事は2017年1月に投稿されたもののリメイクです。

 

まず、次の無限級数展開の式①は既知のものとする。

 

xは実数とする。|x|<1のとき、

 

(1+x)^α

=Σ(0≦N≦∞)αCN・x^N 

=1+αx+α(α-1)/2!・x^2+α(α-1)(α-2)/3!・x^3+… :①

 

①はTaylor展開(ないしはMaclaurin展開)という数学を使うことで証明できる式である。

 

以下では、ひたすら厳密性は無視し「いや、これは『お話の数学』ですから」というご都合主義で突っ走る。私よりちゃんと数学が分かっている人には、非常に見苦しい記事となるだろうことは先刻承知であるが、どうかお付き合い願いたい。

 

①において特にα=-2ならば

 

1/(1+x)^2=1+(-2)x+(-2)(-3)/2!・x^2+(-2)(-3)(-4)/3!・x^3+ …

=1-2x+3!/2!・x^2-4!/3!・x^3+…

=1-2x+3x^2-4x^3+…

=Σ(0≦N≦∞) (-1)^N・(N+1) x^N :②

 

この式が大きな役割を果たす。

 

ところで、少しでも数学を学んだことがある人なら「1+2+3+4+…=∞」であることなどは誰でも知っている。従って「1+2+3+4+…=-1/12」なんて式は、普通に考えて「間違い」であることは間違いない。

 

でも、こうしてこの発散級数に「-1/12」という値を与えたほうが(これは、「解析接続」と呼ばれる手法の一つの例である)現実に役立つ場面が量子力学などで存在するのも、また事実なのである。実際、「弦理論(ひも理論)」で「この世界は26次元」なんて話が出てくる。その導出に、この「1+2+3+4+…=-1/12」が必要不可欠なのだ。

 

物理学の話はさておき、どうしてこの発散級数の値を「-1/12」と考えるかの説明を続けよう。

②の式で|x|<1を保ちながらx→1とする片側極限を考えてみよう。

 

すると、自然な人情として、

1/(1+1)^2=1/4=1-2+3-4+… :③で「あって欲しい」と思いませんか?

 

③の右辺だって交代発散級数なんだから、普通の意味では「有限の和」を持たないのは明らかである。でも、そんなことは当記事とは関係がない。あくまでもエンターテインメントだと思って読んでもらいたい。

 

ここで「『求める』級数の和」をS(=1+2+3+4+…)とおき、無謀にも以下の計算を試みる。

 

      S=1+2+3+4+…

-)4S=   4     +8      +… 

______________

 -3S=1-2+3-4+…

 

③より、この右辺は1/4だから

両辺を-3で割って、S=-1/12

 

つまり、

ΣN(N:自然数)=1+2+3+4+…=-1/12

 

あれ?簡単じゃん。計算自体は、本当に誰にでもできるじゃん。

 

大体が無限和の議論なのに、恣意的に4とか8とかをその場所においてる時点で間違いだろ!」というそこのアナタ。アナタは正しい。その代わり、「お呼びじゃないので、回れ右して帰ってくれ」。

 

そんなことは百も承知で私もこの記事を投稿しているのである。

だから、この話はこういう風に捕らえて欲しい。

1+2+3+4+…に、もし仮に有限の意味のある値を割り与えるとしたらそれは-1/12しかなく、なおかつそうすることによって、物理学の世界などに有益な応用を与えている。

 

■少し真面目な話。

 

手品「1+2+3+4+…=-1/12」のタネと仕掛けは、本文中にも少し書いたが、「解析接続」である。

 

「解析接続」とは複素関数を対象とする関数論の用語で、ざっくり言えば「本来の定義域の外側にまで、関数を滑らかにつないでいくとどうなるか?」ということである。

その際「正則関数(定義域全体で微分可能な関数)をもって関数をつなぐ」という概念が出てくるのだが、複素数での微分ということが効いて、この「正則性」というのはかなり厳しい条件となり、値がたった1つに定まってしまうのである。

 

この解析接続を使うことによって、「1-1+1-1+…=1/2」や「1-2+4-8+…=1/3」なども無事「正当化」することができる。とはいえ、本来は”1-1+1-1…”=1/2とか書くべきものであり、左辺と右辺とでは正確に言えば「違うモノを計算している」

 

いずれにせよ、「1+2+3+4+…=∞」のはずなのに、「1+2+3+4+…=-1/12」と考えた方が良い場合もあるというのは、実に興味深い話ではある。

 

■オカルトな話と、これからの世界。

 

ひも理論によれば、この世界はある意味で26次元である。

他方、アルファベットは26文字である。カバラ数秘術の世界でも「26」=「13」+「13」には特別な意味がある。これらは単なる偶然だろうか?

 

数秘術と最先端のサイエンスとは、実は紙一重のところで繋がっていることが実感できるのではないだろうか。そりゃあ、元々「同じ源」から発展していったんだもん。

繋がっていても全く不思議じゃないでしょ?

 

そして、どちらの世界で生きるのも本来は「対等」なのである。いつもいつも近代科学の合理主義だけに頼っていては、バランスを崩す。

 

そして21世紀とは、我先に「1番」を求めた20世紀までとは違い、何よりもバランス感覚が大事とされる時代である。なのにそのことが理解できず、他者を理解することもその発展を望むこともなく、未だに旧態依然に「俺のところがNo.1だから」などと平気でほざけてしまう政治家などの社会的に重要な人間が、日本だけではなく多すぎることには、改めて憂慮の念を抱いてしまう。

 

まぁ、そんなに悲観する必要はない。

人には、ちゃんとそれぞれの持ち場と役目がある。

そして、「理念なき業突く張り共」は歴史上必ず敗れている。

政治屋やマスゴミのいうことなどに、いちいち惑わされるな。

 

…よい夏を!

 

この記事をまゆゆさん@アメーバ大喜利に捧げます。