イケメンの彼は、そう言うと由利に軽く会釈をした。 

「えっ⁈ 春日って、お笑いの・・・」

「そうなんです。漢字は違うんですけどね。だから、名前言うと、すぐ覚えられちゃうんですよ。」

イケメン君、改め春日利明君は、そう言うと照れ臭そうに笑った。

「そうね、一度聞いたら、忘れないかも。あっ、私は、斎藤由利って言います。よろしくお願いします。」

イケメン君の衝撃的な彼女との別れ話しから始まり、彼と自己紹介してる自分が可笑しかった。

それから、あっと言う間に時間は過ぎ、会議資料の事など、すっかり忘れていた由利だったが、マスターに時間を心配され、店内の掛け時計を見ると22時を過ぎていた。

「やだ!もうこんな時間!マスターお会計!早く早く!」

由利はそう言うと、追加でオーダーした生春巻きを慌てて口に頬張り、ナプキンで口を拭った。

「由利ちゃん、来た時は長居しないの~っとか言ってたのにね。」

マスターが、お会計をしながら、意地悪く言った。

「う、うるさいな。お店の売り上げに貢献してあげたのよ。沢山ワインも飲んだでしょ!」 
 
ベージュのスプリングコートと薄手のパステルブルーのストールを巻きながら、由利は慌てて席を立った。

「それは有難うございます。又、お待ちしてますよ。今夜はちょっと冷えるから、資料作りで夜なべして、風邪引かないようにね。」

「はいはい、いつもご心配してくれて有難うございます。『夜なべ』って…。マスター言い方、古っ。」
 
マスターに雑な返事をした由利だったが、利明には今日イチ最高の笑顔を向けた。

「今日は私の話に付き合ってくれて有難う。」

「こちらこそ。資料作りの邪魔しちゃって、すみません。でも、色々話せて楽しかったです。 又話し聞かせて下さい!気をつけて帰って下さいね。」

最後まで礼儀正しいイケメン君。

「私も楽しかった。おやすみなさい。」
 
ドアを開けると、冷たい春の夜風が少し酔った身体に心地良かった。

風がフワッと舞い、桜の花びらが由利の肩の上に落ちた。 由利は、花びらを落とさない様に、そっとハンカチで包み、ポケットにしまった。

由利は、年下の彼に対して、ワクワクしてる自分が可笑しくもあった。
 
今度お店に行く時は、この前買った新しいヒールを履いて行こうかな。 ネイルも塗り替えよう。

桜の木を仰ぎ見ると、夜空には綺麗な満月が浮かんでいた。

明日も晴れそうだ。

 

本日のメニュー

ヘルシー生春巻き

生春巻き

 

材料(2~3人分)
・ライスペーパー…4枚 
・鶏ささみ…3本 
・にんじん(千切り)…1/3本 
・キュウリ(千切り)…1/2本
・大根(千切り)…4cmくらい 
・水菜…1束 ・深さのある大皿
 
 [チリソース] 
・チリソース(市販の物)…大さじ2 
・マヨネーズ…小さじ1 
 
[ピーナッツソース]
・◎ピーナッツバター…大さじ1 
・◎チリソース(市販の物)…大さじ2 
・◎お味噌…小さじ1/3 
・◎お醤油…小さじ1/3 
・◎砂糖…小さじ1/3 
・◎水…小さじ1 
・ピーナッツ( 刻んだもの)…4粒くらい
 
作り方 
1. 鶏ささみは、熱が通りやすいように包丁で真ん中から縦に切れ目を入れ、厚みを薄くする。耐熱容器に入れ、酒をふりかけ、ラップをして電子レンジで2分加熱する 。
 2. にんじん、きゅうり、大根を千切りにする。水菜は5cm程に切る。鶏ささみは細かく割いておく。 
3. 水を入れた大きなお皿を用意する。そこにライスペーパーを10秒ほど浸け、くっつかないようにして水から上げ、まな板の上に乗せる。
4. 切った野菜とささみをライスペーパーの中央に並べ、ライスペーパーの手前側を折る。同じく左右も折り、巻く。
※キツめに巻いた方が後で切る時に崩れない。
5. 食べやすい大きさに切る。
※具材はアボカド、エビ、カニかまなどを入れても美味しい! 
 
[チリソース] 市販のスイートチリソースとマヨネーズを混ぜるとマイルドな辛みになります。
[ピーナッツソース] ◎の材料を合わせ、器に盛ったら、刻んだピーナッツを上にかける。