前回はゴールボールがどんな競技か、概要を紹介しました。今回は、歴史や日本代表についてなど、さらに詳しくゴールボールについて書いていきたいと思います。

 

前回の記事➡︎https://ameblo.jp/spominilog/entry-12494009307.html


 

ゴールボールの歴史

第二次世界大戦で視覚に障害を受けた人のリハビリテーションのために考案され、競技として紹介されていきました。パラリンピックでは1976年のトロント大会から正式種目となり、2年後の1978年にはオーストラリアでワールドチャンピオンシップが開催され、世界的に広まっていったとされています。現在世界中のたくさんの国でプレーされていて、ブラジル、トルコ、中国、リトアニア、ドイツ、アメリカ、カナダなど、世界中に日本のライバルとなる強豪チームがたくさんあります。

 

日本代表

日本代表は、2018年の世界ランキングで、男子は13位、女子は4位とどちらも上位につけています。女子チームが2012年のロンドンパラリンピックで金メダルを取るなど、強豪として世界で活躍しています。

日本代表は毎月1から3回ほどの強化合宿を行っているほか、各地で練習が行われています。私は強化合宿には参加したことがないのですが、各地の練習には時々参加させていただいています。練習の目標を共有したり、アドバイスを送りあったり、様々なメニューに挑戦したりと内容の濃い練習で、代表選手の姿勢には毎度圧倒されますし、参加する度に学ばせていただいています。一口に視覚障害といっても個々で見え方の違いがある中で、選手同士でカバーしあって助け合いながら、準備や片付けを行います。

 

大会の体制

2019年度に入ってからで見ても、リトアニア共和国 VS 日本の交流試合やトルコでの「アンタルヤ国際トーナメント大会」、スウェーデンでの「Lady and Men Intercup 2019」などの国際試合・大会が行われていて、今後も来年に控えた東京パラリンピックに向け、大切な試合が続きます。

また、国内では毎年秋に、クラブチームの頂点を決める日本ゴールボール選手権が行われます。

 

主張

静寂の中、緊迫した雰囲気で進んでいく試合、視覚という1つの機能を失った状態での選手同士の連携プレーなど、ゴールボールは魅力の詰まったスポーツです。また、静寂の中だからこそ、試合中の選手のコミュニケーションも聞くことができるのも競技の特徴だと思います。目をつぶっての観戦も、また違った楽しみ方ができると思います。

大会によってはイヤホンを使って実況解説を聞きながら観戦することもできますし、YouTubeでの放送がある場合もあります。ゴールボールは奥が深く、この記事で紹介できているのは一部です。知れば知るほど観戦を楽しめるスポーツです。東京パラリンピックに向けて、興味を持っていただければ幸いです。

東京オリンピック・パラリンピックが来年の夏、もうすぐって感じですね。

今回は、パラリンピックの競技にもなっている視覚障害者のスポーツ、ゴールボールについて紹介していきます。

 

競技の概要

1チーム3名のプレイヤー同士が目隠しをして対戦します。バレーボールと同じ大きさのコートで、それぞれのコートのエンドラインにあたる部分に幅9mのゴールがあります。

ボールはバスケットボールとほぼ同じ大きさですが、1.25kgとかなり重く、中には鈴が入っていて転がると音がなります。互いに相手のコートの後方のゴールを狙って転がすように投げ合い、ゴールに入れば得点となります。

コートに引かれたラインの下には紐が張られていて、選手は手や足でそれを触ることで、自分の位置を確認しながらコート内を動きます。試合は前後半12分ずつ、ハーフタイム3分で行い、得点の多少を競うスポーツです。

相手が投げてくるボールを、体を倒して全身で止めます。

9mを3人で守るので、それぞれ自分の左右1.5mずつ、あわせて3mが基本的な守備範囲です。ポジションは、バレーボールと同じように、自分たちの体の向きに対して右からライト、センター、レフトと呼び、それぞれコートの右端から1.5m、4.5m、7.5mを定位置とします。相手の投げ出し位置が聞こえるとチーム内で言葉に出して伝え合い、それに応じたシフトを取ります。全員が同じシフトを取らないと選手同士の間があき、そこが守れなくなってしまうので、声の連携は重要です。そして、左右どちらにとぶのかその場で守るのか、ボールの軌道を音で感じ取り素早く判断します。選手の球速は、女子日本代表の選手が最速50km/h前後、トルコなど世界には最速50km/h台後半を計測する選手もいるそうです。男子のトップ選手になるとMaxは初速で60〜70km/h、日本障がい者スポーツ協会の計算によると、初速70km/hのボールが最初にバウンドしてから守備側に届くまでにかかる時間は約0.5秒。音を正確に聞き取る力と瞬時の反応が求められるのです。

 

ボールを捕ったら、投げ返します。相手の守備の間を狙い、力強く転がします。捕球から10秒以内にボールがセンターラインを越えなくてはいけないという時間制限の中で、様々な作戦が繰り広げられます。相手の投球した選手の守備範囲をすぐに狙い、準備が整っていない状態に付け入る速攻作戦や、捕球した位置から移動したりチーム内でパスをしたり、投げない選手が投球の助走に似せた足音を立てたりして、ボールの投げ出し位置を相手に分かりにくくする作戦があります。さらに、正面に真っ直ぐ投げるボールと対角に投げるボール、大きく弾むボールと鋭く転がるボールを投げ分けたり、緩急をつけたりして相手のタイミングを外し、揺さぶります。

 

このようにゴールボールは、力と力がぶつかり合うだけでなく、心理戦や頭脳戦の要素を多く含んだチームスポーツなのです。

 

 

次回はゴールボールの歴史や日本代表について書きたいと思います。