人魚いろいろ。 -7ページ目
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スーパーハッカー。

数年前チャットをはじめた頃の話。
その日もいつものようにチャット中
携帯着信。番号通知あり。
でも知らない番号。

誰?と思ったけど
非通知拒否すらしてない私。
はい~と気軽にでたところ

もしもし?俺俺
まるでオレオレ詐欺のようなセリフ。
ほんとにこんな出だしから、それははじまった。

「えー誰?」
「俺だよ。タクヤ。なに、忘れたの?」
「いやマジでわかんないんだけど、えっと」
「これだよ~。いろんなヤツに番号教えてるからわかんないんだろ」
最初からなんだか馴れ馴れしいこの男。
更に馴れ馴れしさが増す。
「東京寄りの埼玉に住んでるタクヤだっつーの。前に話したべ?」
いや、まじでわかんないんですけど。
「この前はさ、都合悪かったからあれだけど今日はどうよ?今から迎えに行くからさ」
え、どこへ?

こういう場合切るのがいちばんいいのかもしれないけど
次の一言でまったく切れなくなった。

「あれだよな。あの○○の交差点の、なんつったかなー。角にファミレスがある、あのマンションだろ」

これはあきらかにうちを指している。
○○は国道をはっきり出していた。

・・この人思いっきり知ってる・・

なのに声も名前もましてや東京寄りの埼玉のタクヤなんて!
まったく思い当たりません。
ここまでくると、電話を切ることより
相手の素性&私の事をどのくらい知ってるのか知りたくなった。
まるで逆探知の時、通話を長引かすという使命でもあるように
とりあえず話さなきゃ!と思った。

そこから先は焦ってたので何を話したか鮮明には覚えてないけど
ここまではわかった。

私の『本名&歳&顔(髪型や身長)&家の場所&車種&趣味』

ここまで知ってたら、それはすでに友達のはずである。
友達じゃなきゃ、なんなんだー!
ついでに家族構成まで知ってた。

趣味の話は

「最近海行ってないんだな。毎日チャットかー?」
というあたりで出てきた。
もちろん海で何をしているかも知ってた(ジェットだけど)

チャット・・

これはもしや・・

初心者の私はまだ誰にも住所や本名は言ってなかった。
そこまでまだ仲良くなってないし。
でもこの男がチャットというからには
そういう関連?と思わずにはいられない。

そうか!
これが噂のスーパーハッカー

知識のない私はもうそれしか思いつかなかった。
何らかの情報がこのスーパーハッカーに洩れ
こいつが何らかの興味を私に示し
さささっと私の情報を入手したんだろう。


ひえーーー!!!すっごいやば!

普通のイタ電だったらこんなに詳しくないだろう。
そこまで詳しく私を知ってて私が相手の声になんにも記憶がないとしたら
ただのボケだ。
もうそれしかない。

ひきつりながらこの先どうしよう・・と適当にあいづちを打つ私。

でも、とりあえずこの電話は切らしていただきたい・・


「あのね、今日はちょっとこれから出かけなくちゃなんなくて、だから、えっと」

「マジで~?つまんねーの」

「う、うん。ごめんね。だからまた。ね、」

なんでこいつに謝んなくちゃなんないのかわからん。
けどとりあえず刺激しちゃいけない。
私の本能がそう指令を出していた。
そう、穏便にいこう。

「おーう、じゃ、またな」

電話は切れた。

すっげー脱力感!
非常に疲れて&気持ち悪さで
とりあえずさっきから放置してたチャットに戻り
事の次第をみんなに伝える。

えー!なにそれー!
ストーカーじゃん?
こわ!やばいよ~
などなど

みんながあれこれ意見を言ってくれるので
私も遅いタイピングで必死に報告を続けてた。

10分ほどするとまた着信が。
今度は誰?
目の前の携帯を見ると

えっ!ぎゃー!!

たぶんこの番号はさきほどのスーパーハッカー!!
ひぃー。
もうどうしようもないのでとりあえず出る。

「はい・・」

「あのさー、なんかさ、やっぱ俺ヒマでさ。お前出かけるまで話そうよ、な?」

なんなんだよ~
まぁほんとは出かけないから忙しくないけど
ヒマでも話したい相手じゃない。

「うーん、私ちょっとお風呂はいんないと」

とりあえず電話をできない状況に持っていこうと頑張る。

「なんだっつーの。せっかく電話してやってるのによ~」

この間も指一本でチャットの友達に

キタ!キタ!キタ!

とSOSを送ってた。すると


「お前もしかして今チャットやってね?」

「え、う、ううん、してないよ」

「なんかカチャカチャ聞こえるんだよなー」


スーパーハッカーは耳も良いらしい。

「いや、気のせいでしょ」

必死に普通の声で話しながら、指一本でチャットを続けてた。



「やっぱお前チャットやってんじゃねーの?・・・・あ??ふざけんなよ!!
俺が卒業したってのに、てめぇはまだやってのんか!!!」


え、ええっ!!そ、卒業?えーーーーーーっ!?


ここからいきなりスーパーハッカーの態度は豹変。
汚い言葉で私を罵り始める。

挙句に



てめぇがそんな根性なら俺にも考えがある


ぎゃーーーーーーーー!!!!!!


もうあまりにも怖くて電話を切ってしまった。
もうもう、何があってもでたくない。
着信拒否しようとしたんだけど
怖いのとやり方わかんないのとで
このまま携帯を触ってると着信しちゃいそうなので
思わずクッションの下に携帯を突っ込んだ。


その数時間後おそるおそる携帯を見ると

着信数件(スーパーハッカーのみ)
ショートメール数件。

メールをこっそり見てみる。

半角カタカナで

「デンワデロ」

「オレヲナメルナ」

「イイカゲンニシロ」

「オモイシラセテヤル」

「コロス、サシコロス」

・・・・・・・・・・・


これはやばい。
もう本当にやばい・・

怪しさ☆☆☆

16の頃。
当時歌舞伎町でバイトしてた。
今までやったバイトの中では怪しさ度☆くらいの単なるウェイトレス。
会員制カジノバー?とかいう店だった気がする。
そのお店でも変わった出会いはあったけどなにより歌舞伎町!
路上での一期一会が素晴らしく激しい。
16の小娘からしたら想像を絶したモノがあった。

ある日のバイト帰り
このまま帰るのもなぁ~
と北新宿の友達を呼び出す。
当時まだ携帯も普及してなかったから連絡手段はイエ電。
なんか伝言ボックスとかいうマシーンがどこかにあった気もする←あいまい

そして友達に連絡を取り寝てるとこを無理に起こし、しかも30分以内に!
とわがままを言った。
みさちゃんは寝起きで繁華街にゃ出られん!シャワー5分で出る!
と言い放ち電話を切る。
急なお誘いでもこうやって来てくれるなんて(しかもしょっちゅう)
いい友達だ~。
ありがたみを感じつつ電話ボックスを出てシアターアップル前あたりに立つ。

この頃って、今もそうなのかも知れないけどナンパというか
おっちゃんのお誘いが多かった気がする。
今何時?なんていうあきらかに怪しい一言から
指三本(三万って意味らしい)をこそこそ出して値段交渉に入るまで。

あげくに

「ホテル代込み三万でどう?」

とか・・

値切るなよおい!

そしてその日。
またどうせそんなおっちゃんがわらわらと現れるんだろうな
とちょっと警戒しつつぼーっとしてたら

「ちょっといいかな?」
(スーツ姿のおっちゃん登場)

はー。きたきた、と思ったので

「は?」

とすごーいめんどくさい顔で答える。
この後どうせ値段交渉に入るんだろう。大人っていったい・・
と呆れ顔でいると

なんかおっちゃん出してきたー!

今までと違うパターン。
なんじゃこりゃ。
そう、おっちゃんはスーツの胸ポケットから非常に怪しい警察手帳のようなものを出す。

え、なになに・・補導?


「いやぁー、実は僕ジャニーズ事務所の者でね」

え!?は?ジャニーズ?


「うん。キミいいね。遠くから見てたんだよ。ほらあそこから。いいねぇ。いやぁ。ぴったりだ」

えっ。女なんだけど、スカウト?・・え!?


いったい何なんでしょう。
おっちゃんの警察手帳みたいなモノはもう胸ポケットにしまわれている。
呆然と無言で立ってるわたしの横でおっちゃんは激しくしゃべりまくる。



「いやまったく、こういう仕事してるとね、ぴんとくるんだよねぇ」

「ほら、うちの子たちはあれじゃない。やっぱり顔がね、売れてるからね」

「気楽じゃないのよ。街をうろつく事も簡単に出来やしない」

「そうそうあっちの方がね。やっぱりね、男だからねぇ

・・え!?あっち・・




それかよ!!




結局おっちゃん何が言いたかったのかというと


○ジャニ君たちは勝手気ままに遊び歩けない。

○ジャニ君も男なのでさまざまな欲求がたまる。

○事務所側はいろんなタイプの女性を登録させ彼らにあてがう。




ホントかよ!!

呆れるわたしを尻目にまだまだ話がとまらないおっちゃん。


「で、結局どうしろと?」


「いや、だからさ。ほら。何もタダでって訳じゃないしね」

「これは純粋なビジネスだから」

「やはりビジネスに徹していただかないと」

「それにはまず基本的なお仕事の内容を覚えていただく」



やっぱそこじゃん!

つまり、このおっちゃんとやらなきゃなんないらしい。
それにしても、よくこんなの考えたよなぁ。
まぁ単純すぎるといえば単純なんだけど。
なんにも知らない女の子だったらころっと騙されるのかなぁ。
まぁそんな無知な女の子はいないか。

呆れたまま時間が経過し、みさちゃん登場。

「悪いけど、その手の話にのる子いないんじゃん?じゃーね」

そして話の見えないみさちゃんの手を取って歩き出した。
何度もふきだしそうになりながら事の顛末をみさちゃんに語る。
その間笑いがこみ上げて転びそうになること多々。
しょうがないので近くのファーストフードで
また大笑いしながらおっちゃんの話を語り合う。



この日から半年後
年が明け寒さが更に増した2月頃。
終電ギリギリ小走りに西武新宿線の駅構内に入ったところ


ちょっといいかな?

え、この声まさか。
そう、またしても再会。喜ばしくない。

無言で立ち去ろうとすると


「あ!ちょっとちょっと、待って!怪しい者じゃないから」

すかさず胸ポケットから例のブツを出そうとする。
ていうか、じゅうぶん怪しいよ!おっちゃん!


「前にも声かけられてるから。ジャニーズでしょ」

「え?あ、前にバイトしてくれた子かな?」


ぬけぬけとそんなことを言うおっちゃん。

このおっちゃんが夏から冬にかけ
この界隈に出没していられるということは
この間騙された女の子がいるのだろうか。
それとも誰も引っかかってないけど懲りずに続けているんだろうか。


寒さがよけい増したように思い
満面の笑みを浮かべたおっちゃんを残し足早に改札をぬけた。

ここどこ?

なんかよくわからん
なのに手を出してしまいました
これ
頑張ります。

あ~今表示されたの見てわかった
こうなるのね。
さまざまな思いがよぎりつつ

だいじょぶか、わし・・
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