

本年度最大の衝撃と感動。
1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。
父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。
イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。
後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに――。
一家離散。親友の意外な行動。恋人の裏切り。自我の完全崩壊。
ひとりの男の人生は、やがて誰も見たことのない急カーブを描いて、地に堕ちていく。
絶望のただ中で、宙吊りにされた男は、衝き動かされるように彼の地へ飛んだ。
☆☆☆+
図書館の貸出都合で、上巻と下巻の間に
「2週間・別の本2冊」を挟む、という変則的な読了となりました。
それでもこの本はスゴイ。
「ふくわらい」を読んだときには、あまり好きな作家じゃないと
思ったけれど、この本は素晴らしすぎました。
できれば2日間くらい温泉旅館でカンズメ(?)になって
「サラバ!」ワールドに浸かりきって読み切りたい。