いよいよ明日、明後日は札幌で指導員の試験。
7月に前期講座を受けたけど、学科の内容なんてもう全然覚えていない。
やばいなぁ。
何よりマズイのは、自分の気持ちが
「何か面倒くさいから落ちてもいいや、別に指導に興味はないし」
と思っていること。
これじゃ、受からんな。
まぁ、いいか。
さて、今日の一冊は・・・
私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた。重厚で、新鮮な本格的文学と激賞された27歳、驚異の新人の芥川賞受賞作。
主人公は27歳の青年。タクシーの運転手をして生計を立てている。親から捨てられた子供たちのいる施設で育ち、養子として引き取った遠い親戚は殴る、蹴るの暴力を彼に与えた。彼は「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のようになって、彼の身体に染みついている」。彼の周囲には、いっそう暴力が横溢していく。自ら恐怖を求めてしまうかのような彼は、恐怖を克服して生きてゆけるのか。主人公の恐怖、渇望、逼迫感が今まで以上に丹念に描写された、力作。表題作に、短編「蜘蛛の声」を併録。
すごいです。さすが芥川賞受賞作だけあって、重厚で心に響きます。
ストーリー、文章ともに絶品ですね。
ただやはり暗いテーマなので読後感は辛いもんがあります。
☆☆☆です。