昨夜の一冊
国連の難民事業に携わる里佳は、上司であるエドと恋愛し、7年間の結婚生活の末、2年前に離婚した。そのエドがアフガニスタンで死に、立ち直れないでいる里佳を、アフガンでエドが救った難民の少女に会ったという記者が訪ねてくる……。 表題作他、我儘なオーナーパティシエのために最高の器を捜し求める秘書、捨て犬の世話をするボランティア、仏像に魅入られた修復師など、市井でこつこつと懸命に生きる人たちを描く、ハートウォーミングでちょっぴり泣ける短編集。
これまで「カラフル」、「Dive」と2冊読んだことのある作家でしたが、直木賞受賞作ということで期待して読ませてもらいました。
緻密な下調べをして書いているのが良くわかり、小説としてもとても面白くて心温まる内容。
目を覆いたくなるような惨劇だとか、暗い気分にさせられる悪意とか、そういうものはなくて
色々な職業の人たちが日常の中で感じる喜びとか悲しみとかをとても上手に書いてます。
こういう本を書く作家さんは穏やかな良い人生を歩んでいるような気がする。
☆☆☆+です