昨年8月に父が他界してから、父の住んでいた家は空き家になっている。母が亡くなり、同居していた祖父も逝き、最後に残った父も他界したので、今は誰も住んでいない。


空き家にしていると、トラブルが多いのである。


昨年からの大雪で屋根や自宅前に雪が積もると、すぐ苦情になる。 水が凍るので頻繁に水落としをしなければならない。郵便物がポストにたまっていると、防犯上よくないので、これも苦情の対象になる。


早く、賃貸に出したいのだけれど、中にある荷物の整理が遅々として進まない。


1週間ほど前から写真を整理し始めたのだが、これは本当に大変な作業だ。父の人生が映った70年以上分の写真たち。 何も見ないでポンポン捨てられるものでもなく、1枚づつ見ては感傷にふけってしまう。 


父の74年の人生で私が知っているのはその半分くらい。 私の知らない父親の姿を写真を通して見ながら、改めて「父親」ではなく「一人の人間」として父を見ることができる。


なんで、生きているときにもっとやさしくしできなかったのだろう?その後悔の棘がいまだに胸に残って消えない。