「気を付けてね!」
祖母の声を背に母の車に乗る。
エンジン音が遮る向こう側には以前と違う表情で見送る祖母の姿がある。
この3日間、非っ常~に密度の濃い時間が男を支配し、あらゆる角度で男に問いかける。
そう、何でもないごく普通に当たり前だった日常は男に様々な感情を抱かせる非日常へと変わっていたのである。
つまり、非日常がその人にとってどういった意味合いを持つかで日常が変わるということだ。
男には帰る場所があった。笑いあった仲間がいた。辞めた後でも厚遇の待つ職場があった。
それを肌で感じ、充実した日々に恵まれていたと改めて知れた時、洋介は何を思う?
(そうですね、当たり前だった日常っ
特に何もじゃねぇの?)
日常を当たり前と捉えている間は見えては来ない。非日常になって初めてわかったかな♪
「何故、意義深い時間は長く、終わってみたら短く感じるのだろうね?」
「知らねぇよ」
「そだね♪じゃあ行くよ。」
「またな」
非日常から日常に戻る男には再び明日を生きるための戦いが待っている。
♪絶え間なく注ぐ愛の名を~♪
「もしもし」
「カバン忘れてるよ。今から届けに行くよ。」
「!」