DENIME(ドゥニーム)のLot.910は、
1990年代のレプリカジーンズブームを象徴するモデルのひとつです。
特に初期オリジナルモデルは、
生地・縫製・パーツのすべてにおいて現行品や後期モデルとは異なる特徴を持ち、
コレクターから高く評価されています。
今回ご紹介する一本は、
まさにその初期オリジナル期に生産されたLot.910。
現物から確認できた特徴をもとに、判別ポイントを整理します。
初期のDENIME Lot.910が市場で稀少なのは、
当時の生産が限定的だったこと、初期仕様が短いロットだけで採用されたこと、
そしてコレクターによる
保有や消耗・改造で原型を失った個体が多いことが背景にあります。
これらの要因が重なって、
良い状態のオリジナル個体は流通量が非常に少なく、発見が難しいのです。
✅ 基本情報:DENIME Lot.910とは?
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ブランド名:DENIME(ドゥニーム)
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モデル名:Lot.910
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シルエット:細身のストレート(スリムテーパードに近い)
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インスピレーション:Levi's 66前期モデルなど1970年代のデニムに影響を受けたとされる
なぜ出回っていないのか — 主な理由
生産量がそもそも少なかった
Lot.910 の初期は大手大量生産ではなく、
小規模〜専門店向けの限定的な生産だったことが多く、
流通元そのものの在庫が少なめです。短期間でのリリース=残存数が少ない、
という単純な要因です。
製造期間が短い(ロット限定)
「初期仕様(赤耳フルスペック)」としての仕様は
限定されたロットだけに採用され、その後の生産で仕様が変わったため、
初期仕様の個体数が相対的に少なくなります。
素材・製法が特有で使い潰されやすい
旧式のザラ感あるセルビッジ生地や硬い白耳は穿き込むと
美しく育つ一方で、極端に擦れたりホールが開きやすく
「コレクション対象になりにくい」個体もあります。
結果、修理やカスタム、廃棄されるものも多いです。
個人所有・コレクターが手放さない
コレクターやヴィンテージ好きの手元に長く残る傾向があるため、
市場に出てくる頻度が下がります。
良コンディションのものは売買より保管されがちです。
流通チャネルが限定的だった
発売当時は専門店や限られた代理店での販売が中心で、
海外流出や大量流通が少なかったため、現存数も地域的に偏っています。
改造・丈詰め・リペアで「原型」が失われる
古いジーンズは裾上げやベルトループの付け替え、
パンツをショーツに改造するなどされやすく、
オリジナルの特徴(裾のチェーンステッチ幅やパッチなど)が失われ、
識別不能になる個体も多いです。
復刻モデルや類似品が多数出回り混乱する
後年の復刻や類似モデル(別工場や再生産)と
見分けがつきにくいケースが増え、
売り手が「初期」と明記しないまま出品することがあるため、
検索で見つけにくく感じられます。
サイズ・フィットが現代と合わない個体が残らない
当時のサイズ感(細め・独特な股上等)が合わないと
リサイズや処分されることが多く、
オリジナルサイズで残っている個体が少なくなります。
✅ シルエット・フィット感
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ローライズ気味の股上
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細めのワタリから裾に向かってテーパード
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太すぎず細すぎず、現代のスタイリングに馴染むフィット感
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ジャストサイズやワンサイズアップで雰囲気を変えやすい
✅ 生地の特徴
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14.5オンス前後のセルビッジデニム
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旧式シャトル織機によるザラ感ある生地
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タテ落ちの美しさが魅力
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バリッとした硬さから始まり、穿き込むほどに体に馴染む
初期Lot.910の判別ポイント
1.トップボタン裏の刻印なし
製造初期ロットではトップボタン裏が無刻印になっています。
後期になると工場コードや数字の刻印が入り、この点が大きな見分けポイントになります。
2.リベット裏が丸みのあるドーム型
初期は銅色で膨らみのある形状。後期モデルでは平らな形状に変わります。
3.幅広で濃い赤耳
旧フジボウ製のセルビッジデニムは耳幅が広く、赤色も深みがあります。
織りが粗くザラ感のある生地は、穿き込むことで立体的なタテ落ちを見せます。
バックポケット口のやや斜めカーブ
初期モデル特有の形状で、後期ではカーブが緩やか、もしくはほぼ直線になります。
太めの縫製糸とパッカリング
裾や各部の縫製に太めの糸を使用し、洗い込みで強いパッカリングが出ています。
モデル概要
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モデル名:DENIME Lot.910(初期 赤耳フルスペック)
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生産国:日本
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生地:14.5oz前後 セルビッジデニム
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シルエット:細身ストレート(ややテーパード)
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製造年代:1990年代前半
初期Lot.910の魅力
このモデルは1970年代のLevi’s 66前期をベースにした細身ストレートで、
現代的な着こなしにも対応できる万能なシルエットです。
初期のフジボウ製デニムはザラついた質感と深みのあるインディゴが特徴で、
穿き込むことで美しい縦落ちが現れます。
縫製やパーツも当時のヴィンテージ仕様に忠実で、
現在では再現が難しい風合いを楽しむことができます。
まとめ
DENIME Lot.910の初期オリジナルは、
現行モデルでは味わえない素材感と縫製の魅力があります。
特にトップボタン裏の無刻印、丸いリベット裏、幅広の赤耳は
判別の大きな手掛かりです。
これらのディテールを知っておくことで、
古着市場での掘り出し物に出会える確率が高まります。
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