■絶対音感はあった方がいい?なくてもいい? | 60代からのジャズピアノ。【オンラインレッスン可、初心者、シニア対象。脳トレ・認知症予防コース有り。】

■絶対音感はあった方がいい?なくてもいい?

先日、当教室唯一の小学生の生徒さんのレッスンで、耳コピについて少しお教えしました。  

耳コピは絶対音感がないとできないのか、という事を気にしていましたが、耳コピは絶対音感がなくてもできます。  

絶対音感、ないよりはあった方がいい気もしますが私としては「どちらも言えない、断定はできない」という風に考えております。  

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クラシックやロックの世界ではわかりませんが、ジャズの場合は絶対音感より相対音感の方が重要です。  

「固定ド」ではなく「移動ド」というやつですね。  

そのキーに対してⅣの音とか、そのキーに対してⅤ7のコードがどうのこうの、という解釈がジャズには多いんです。  

コードを「C7」とか「Am7」といった「コードネーム」で呼ぶより、「♭シックスメジャー」とか、「♭ツーセブン」とか、「Bセクションのフォーマイナーからもう一度」といったように、コードを数字で呼ぶ事は全然普通です。  

これはそのキーに対して♭シックスとか、♭ツーとか、フォーとか言っていますので、やはり「移動ド」の相対音感的概念ですね。  

例えば、「なんかセッションしようぜ!」という事になり、でも誰も楽譜は持っていないとします。  

「じゃあベースとドラムで適当にイントロやって。それに合わせるから。じゃあキーはFで、ずっとF7ね。途中、合図でリズムチェンジしようか。全部ドミナントの3625ね。合図でまたワンに戻って、エンディングは♭ツーセブンからのワンね。適当にリット、フェルマータで終わろう」  

これで曲は完成です。ジャズ系のミュージシャンなら誰でもわかる内容ですし、この内容で一発で演奏できます。数字が多く出てきてましたでしょ?  

また、ボーカルの方がバンド内にいる場合などは、原曲はCだけど1音下げのB♭で演奏しようというように、ジャズは頻繁に転調をします。転調をする際はむしろ絶対音感は邪魔になります。確実な相対音感を持っている方が便利です。  

また、移調楽器は実音と譜面の音が違います。例えばトランペットの場合、楽譜には「ド」と書かれていても、実際に鳴る「実音」は「シ♭」です。  

私の友達に絶対音感を持つサックス奏者がいます。彼は楽譜に書かれている音と実際に鳴る音が違うので、サックス奏者なのにサックス譜面が読めません。混乱してしまうようです。  

私が留学していたボストンのバークリー音楽大学も、絶対音感ベースの「固定ド」ではなく相対音感ベースの「移動ド」を重要視していましたし、私もそちらの方がジャズを演奏・理解するには現実的だと考えております。  


あくまで私個人的な意見ですが、絶対音感は、  

場合によってはあった方がいい
場合によっては邪魔  

であるものだと思います。

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