今回の記事は前回の記事の「I&Youメッセージ」
の元になる話なんですけどね。
順番が逆になっちゃいましたが、こちらも重要なのでまとめるの時間かかりました…。
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こちらの本を参考に書いていこうと思います。
著者の平木さんは、
アサーションとは、
「自分の権利のために立ちあがり、同時に相手の権利も考慮する自己表現」
と書いています。
”権利”って結構強い言葉ではありますが、そもそもアサーションの成り立ちが、
アメリカでの黒人・女性・人種などの差別撤廃運動から広まっていたためだそうです。
『基本的人権の尊重』なんて、教科書とかで習った気がしますね。
共依存傾向になると、そんな人としての権利の尊重もなくなってしまう場合があったり。
例えばDVとかの暴力。刑法で裁かれます。
人として幸せに生きる権利は、誰にでもありますからね。
アサーションには、『基本的アサーション権』というものがあります。
当たり前のこと…とは思うと思いますが、改めてね。
1、私たちは、誰からも尊重され、大切にしてもらう権利がある。
2、私たちは誰もが、他人の期待に応えるかどうかなど、自分の行動を決め、
それを表現し、その結果について責任を持つ権利がある。
3、私たちは誰でも過ちをし、それに責任を持つ権利がある。
4、私たちには、支払いに見合ったものを得る権利がある。
5、私達には、自己主張をしない権利もある。
1は、人間として、尊重される権利がありますよ、ってことですね。
自分の気持ちや意見を持っていいし、それを言ってもいいし、
欲求があってもいいし、考えをもってもいいし、感じてもいい。
自分から、他人に他に対してそうしてもいいってことでもあるし、
自分自身に対してもそうです。(”誰からも”は自分自身もということです)
「自分の意見なんて言わないで、我慢すればいい」
「自分は大切に思われてない。価値のない人間」
なんてのは、自分が自分自身を大切にしてないことになるので、
基本的人権にのっとってないってことになりますね。
そして、自分だけでなく、相手の人権も尊重される、
どちらも同等にお互いが尊重し、尊重されることも頭に置いておきましょ。
お互いの希望を述べ合う権利を大切にし、
相互の確認をして、歩み寄ろうとする覚悟が必要なのです。
お互いの権利を主張するということは、こういうことですよね。
2は、あなたは自分自身についての最終的判断権をもっていて、
感じ方、考え方を主張する権利も、変える権利も、自分にあり、
それによってした行動も、自分に責任がある、ということですね。
恋愛で苦しんでいるのも、その人の権利で自分の決定です。
今の状況から変わりたくないのも、その人の権利で自分の決定です。
そして、それは相手のせいではなく、自分が”その状況でいい”と選んだ結果・行動。
自ら選んでいることです。
それをやめる権利もあるし、変わろうと行動する権利もありますよ。
また、逆に言えば、他人を変えることはできないです。
(ありがちですが、共依存傾向の方が、回避依存傾向の彼や彼女を
変える権利はないです。残念ながら。本人が変わりたいと思わなきゃね。)
3は、人間は完璧ではなく、失敗や過ちをしない人間はいない、ということですね。
とはいえ、その分のできる限りの償いや、謝罪は責任をもってしなきゃです。
完璧主義の考え方をもっていると、完璧でなかった時=失敗した時は、
自分や相手が許せなくなって、攻撃・否定・嫌悪してしまいます。
『レ・ミゼラブル』のジャヴェール警部は、完璧主義だったために、
信じていた法にも欠点があり、完璧でなかったことに失望して
自殺してしまうんですね。(映画の知識なんで、原作と違ってたらごめんなさい)
失敗って、私はいいことだと思うんです。
以前は、「絶対に失敗してはいけない」って思ってたので、
失敗したら、ダメダメ人間で、それが積もり積もって自信なくしてました…。
けれど、「失敗してもいいや」って思えるようになったのは、
失敗があるから、成功があるんだなと。
失敗があったからこそ、反省して、より良い方向に試行錯誤できる。
それに、「失敗しちゃいけない」って思うと、プレッシャーがかかって、
余計に失敗しますw
「失敗してもいいや」って時は、もちろんそのあとはフォローしますけど…
そこまで考えられる余裕もでてきますしね。
誰もが失敗はあり得るならば、自分以外の人も失敗します。
そこで「失敗しちゃいけない」考え方だったら、
他人を叱責してしまいます。
そんな人より、「失敗なんて誰にでもあるよ。次がんばろ!」
って、許せる余裕があれば、相手にプレッシャーを与えず、
試行錯誤の種を与えられますよね。
4は、そのままその通り。
ちゃんと支払うので、不良品は変えてもらいましょ。
違う料理が運ばれて来たら、頼んでないことを伝えましょ。
クレーマーになってしまうんじゃ…
というときは、かなり攻撃的に伝える時ですよね。
それは言い方ですし、ちゃんと、自分の気持ちは伝えましょ。
3も思い出して、お店側も失敗するときはあります。
気持ちを伝えているのにその気持ちを受け取ってもらえない、
聞き入れてもらえないところもありますが…
せっかくの「クレーム=改善の機会」なのに、もったいないですよね~。
5は、以外?と感じたかもしれません。
けど、「できない」んではないんです。「しない」権利があるということ。
できるけど、しないこともありなのよ~ってことですね。
本では、「自己主張しなければいけないとなる人が多い」って書いてます。
(^O^;)/は~い、私がそうでしたw
んまぁ、極端なんですよね、考え方が。
4のクレームを入れる、という点でも、
「注文した料理と違う料理が来たので、変えてもらえますか?」
っていうのもアサーションであるし、
時間がなくて、とか、「あ、おいしそうだし…これでいっか♪」
って思えたら、クレームでなくてそのまま食べていいわけです。
どちらも、自分が納得できたら、って話ですよ。
それに、シチュエーションによっては、
このまま自分の意見を言わなくてもいいな、ってときもあります。
後輩がなんとか自分自身でがんばろうとしている時なんかは、
私なりのアイディアとかあっても、”お任せ”したほうがその人のためになるなら、
とくに言わずに見守る、とか。
男性の、過去の彼女の歴史とか、本日の予定とかw
今の彼女に言わないのも、
余計な喧嘩の火種をつくらないように、という配慮でもあるんですよね。
何でも知ってほしいし、知りたい彼女と、
余計なことは言わないほうが不安の種をつくらないように、寡黙な彼氏、
の葛藤は、ここで起きているんでしょうかね。
最後に、留意すべきこととして、
アサーションに関する権利は、自分にあると同時に他社にもあると心得ること。
依頼したい人と、依頼を断りたい人がいて、葛藤が起こるときもある。
それは悪いことでも人権を犯したことでもなく、アサーティブに話し合い、
歩み寄ることが重要。
「こうしてよ」と自己主張するのは自分の権利、でもあるし、
「ちょっとやりたくないな」と相手が自己主張するのも、相手の権利、ということです。
一方通行のやりとりは、アサーティブではないですよ~って。
もう一つは、
アサーション権と役割に付随した権利と混同しないように。
役割って、会社であれば、上司と部下とか、
医者と患者とか、親と子とか、のことです。
契約とか、義務とか、法律もそうかな?
教育とかも含まれてるかもしれません。
労働者が、社長を解雇、なんて権利はありませんよね?っていうことです。
けれど、労働力に見合った対価や評価をもらえてない場合、
セクハラやパワハラが起こった場合には、そうされることを不服として、
ちゃんとその相手に「いやなことされてるんだよ!改善してよ!」
って自己表現できる権利はありますよね。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
こんな感じで、基本的アサーション権をご紹介しました。
案外当たり前じゃん?と思っていることかもしれませんが、
忘れていることって多いですよね。
というより、もう”当たり前”の世界になってしまったから、
特に意識してないというか。
けど、私にとっては結構衝撃でした。
自分の生きる権利、意見を言える権利、常に我慢してなければならない、
ってことはないこと。
自己主張をしなくてもいい、という権利。
最初は、「自己主張しなきゃ!」とか思って、
今までしてこなかった分、結構強めに言ってたりして…
それもちゃんと言う相手は決めてましたね。
特に親に対して。
今まで言えなかったことを言って、結構驚かせてしまったかも知れませんが、
ちゃんと事情を説明して、「自分の性格上、ちょっときつい言い方もするかも…」
って前置きはした上で、練習台になっていただきましたw
特に、共依存傾向があって、尽くしたり、我慢しすぎたりするタイプの方ヘは、
「こういう権利がある」っていう強めの言い方でないと、
自分に対して「そんなことを言える価値はない。私なんぞがおこがましい」
なんて思ってる方は多いと思うので、これも大事なことかな、
と思ってご紹介しておきました。
アサーティブな本ということで、こちらもおすすめです。
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アサーティブのタイプ別に、
ドッカン(攻撃的)…一方的に怒って威圧的に自分の気持ちを伝えてしまう。
ネッチー(作為的)…言いたいことを言葉ではなく態度で示して相手をコントロール。
むすーってしたり、嫌味や皮肉で自分の気持ちを伝えてしまう。
オロロ(受身的)…いつも黙って我慢してしまう。
っていうタイプ別に解説されているので、分かりやすいかも。
一つだけのタイプでなくて、二つ以上とか、場合によって出てきてしまう特性もあります。
オロロさんが、突然切れて、ドッカンさんになったり。(GSPってやつだな)
私のカウンセラーさんおすすめの著者さんです。
あともう一つ、大事な概念があるので、
それはまた次回に記事書きます~♪
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