今回は環境省が行っている自然再生事業のことです。
いくつかの自然再生事業が行われていますが、大阪の岸和田市にある神於山も、かつての自然を取り戻す取り組みが行われています。
神於山地区自然再生全体構想 神於山の再生・保全・活用を目指して より (抜粋・要約しています)
神於山(こうのやま)は、標高は296メートルのそれほど大きいとは言えない山で、市街地があって、ぽつんと山の出先機関のようにになっています。
古くから田んぼや水のために利用されていましたが、戦国時代では秀吉によっててっぺんまで戦火に燃えたようです。
また、幾重にもわたって、燃料、畑、建築、家畜のエサ、田畑の肥料として、伐採、落ち葉かき、下草刈りのかく乱が行われました。
江戸時代には社寺林以外の森林は消失し、表土が流出し、アカマツ以外の樹木は育たなくり、そのアカマツも燃料として何度も伐採されました。
それもマツ枯れにあって消失。今は果樹園や畑も広がっています。
そう言う人為的影響が何度も繰り返されたため、竹林が広がり、いっとき山のてっぺんまで竹に覆われたこともあったそうです。
戦国と第二次の戦禍はどこも経験していると思います。
そのために、日本は二次林という、最終極相まで森の遷移が進んでない森が多いと言われています。しかし、戦後80年、そろそろ森林はあちこち回復していると言えます。
ここも、竹はあちこちに残っているものの、自然植生によって回復しています。ただ、竹が多い。
ここの竹を減らして、落葉広葉樹の森、常緑広葉樹の森にして、里山に戻して行こうというのが取り組みです。

ちょっと写真では不鮮明ですが・・・、竹を切って、中小の苗木を間に植えていき、防止するなどの、取り組みがされています。

それでも、まだまだあちこちに竹が点在する状況のようです。
他の落葉、常緑広葉樹の森も、手入れしながら、ハイキングなどの森にしていくそうです。
うちの近くも、竹が消えて残骸になっている場があります。
たぶん、湿度と温度、土壌の栄養や水分などの関係だろうと思っていました。
でも、竹は花が咲くと枯れるようです。
どの竹で、どのようにして枯れるのか、どうして枯れるのかは、詳しいことまでは調べてませんが、私の近所の枯れてる竹山ももしかしたらそうかもしれません。
どちらか分からないですが、枯れた竹は森に覆われて行こうとしています。
枯れたらまた枯れたで問題がありますが、竹は勢いが強いので、森林の荒廃したエリアでは、どんどん拡大していることが問題になっています。
環境条件が悪く、竹で困っている山などは、この自然再生の取り組みは参考になるのでないでしょうか。
筍は必要ですし、竹細工や何かと材料や資材として、竹は今後も、ある程度は必要でしょう。
我々も竹は昔から、竹製品としてカゴや入れ物、垣根などに使っていましたし、もしも何かあって、竹だったら減る心配は森の木よりは少ないと思います。
しかし、竹・・・それは日本古来の山だと思っていました。
日本古来の竹の使われ方
竹細工・・ザル、セイロ、和傘、茶筅、皿
竹垣・・家の庭などの垣根に
家屋・・・家の部材として
剣道・・・竹刀に
等、多数の素材として製品に。
代表的な竹。
マダケ。
ハチク。
モウソウダケ。
私も知らなかったですが、この代表的な竹、みんな外来種(産業用管理外来種)と呼ばれているものらしいです。
(外来種もけっこう広い話です)
竹取物語は、外来種の竹が入るまえに成立したから、日本の在来種のマダケかハチクかということですが、今の我々が知る絵図ってのは、だいたい太いほうの竹ですね。
