容疑者 シャネル佐野
楽しかった十七の夜。
高校中退三人衆。
俺、デーブ荒川、シャネル佐野で神戸方面へ走った。
中型のバイクに乗ってた俺はシャネル佐野と二人乗り。
デーブ荒川は50ccのモンキーで単独で。。
それこそ当ても無く、夜の43号線をひたすら走り、まだ地震の爪あと残る海沿いをウロチョロして楽しんでいた。。
そしてそこでボロボロの原チャを見つけたシャネル佐野。
なんと鍵がささったまま。
なんの迷いも無く跨り、エンジンをかけ、一人一台の単車に乗りさらに神戸方面へ。。
真夜中の三宮にテンションはあがり、三人でコンビニに入り、当時流行っていた『egg』なる雑誌を読み、さらにテンションをあげ『アメ村行こや!』と意気揚々。
先頭を走ってたシャネル佐野が直進するべき道で、原チャリフルスピード!そしてノーブレーキ右折!!!
後ろを走ってた俺ら二人は、ついていけず少し真っ直ぐ走ったところで待機。
・・・5分
・・・10分
・・・帰ってこない。。
デーブ荒川はタバコ数本消化。
『探しに行こか?』
とシャネル佐野が右折したところへ行くと・・・
コケてる・・・
原チャが・・・横になったまんま・・・
シャネル佐野もこけたまま・・・(普通の擦り傷程度の軽症やのに)
俺『お前10分間なにしてんねん?』
佐野『わからん・・・ 新聞配達のおっちゃんに大丈夫か?って聞かれた』
(答なってへん・・・)
俺『原チャ置いていく?』
佐野『いや・・・ 乗っていく』
アクシデント発生もアメ村行き続行。
途中尼崎でともげんを乗せ一路アメ村へ。。
【十代の聖地アメ村】
しかしそこで悲劇は待っていた。。
《検問》
突っ込むシャネル佐野!
またもや先頭だっ!
しかも無免許だっ!
その上盗難車だっ!
それに引き換え残り三人はやましい事など何も無い。。
どうする???突っ込むシャネル佐野???
後ろで見守る俺たち
(あっ・・・止められた・・・)
(ポリと喋ってる・・・)
(どうするねん・・・)
・・・
・・・
・・・
(あっ!逃げた!!!)
原チャを捨てて、猛ダッシュのシャネル佐野
(逃げ切れ・・・)
と思いつつ俺たち三人他人のフリ。
警察に何聞かれても
『知らんで~』
『友達ちゃうで~』
そんな努力も虚しく
警察官の体力に負けているのに気づかず・・・
そして追跡されているのにも気づかず・・・
路上駐車の車の下に隠れたけど、見られていたのに気づかず・・・
逃げ切ったと安心しながらつかまったシャネル佐野君。
警察官に手を引かれ、俺たちの前に見せた姿は情けないものでした。
取調べがあるということで先に帰ることになった俺たち。
別れ際に放った『俺、全部正直に喋るわ~』という言葉は今も覚えています。
でも取り調べで、家の近くでパクリましたとうそをつきましたね?
あのときのあなたは頭がまわっていました。
神戸で盗ったと言ってしまうと、神戸まで行って現場を指差して写真を撮らされる・・・
ならば家の近くならば・・・ と考えたと言ってました。
今考えると賢い17歳だったのかもしれません。(窃盗と無免許は免れませんでしたが・・・)
大きなイベントは無かったけれども、何か楽しい青春の一コマでした。。