呼ばれるように見上げた夜空。 

灰色と白の雲間のあいだに浮かぶ、黄金の三日月。 

なだらかな曲線を描かない湖面に不器用な、三日月の顔。 

ながれる雲に揺れ、助けを求められ、目をそらす。

冷たい夜風が頬をうつ。 

品のある冷えきった美しい三日月とは違う、黄金の濡れた憂う三日月から風。

 

丸い蛍光灯を消し、横たわり今日の終わりに思う、物憂げな三日月。

おもえば遠く、三日月に入り祈った愛は欲望にみち、だれかから憐れみもらった愛は斬れあじ悪く、今日の月のようにギザギザといらない痛みを縫いつけるように、正気を突きつけられれば、られるほど不器用に笑っていた。

その黒い三日月の横から、雲のように灰色になり、白になり、あなたは黄金の三日月の糸を溶かし垂らし、地上へと落とす。

わたしの胸に落ちた黄金の糸の点は、胸の上でゆっくり円を描き、丸くまるく広がって大きくおおきくなっていく。

三日月で溶かされたいつわりの愛を紡ぎ直すかのように、ゆっくりと胸に落ち描かれる。

雲で隠された秘密の月の糸。

胸に満たされ、なにごともなかったかのように、雲の晴れ間に戻り、また輝き誘う。

その美しさを知るものに、許され渡される黄金の糸。

 

 

 

 

月の糸と書こうか、三日月の糸と書こうか、迷っていたから今があるのか、久し振りに月に呼ばれたなって思いました。 悲しみ憂うのを見られているって感じるのは、月の光のほうが強いですね。 太陽の光なんだけど。 なんで刺すような三日月の流線じゃないのか、不思議に思って見上げていた気がしますが、そういう、地球からの太陽の反射力の強い日だったそうです。 地球からの反射! なるほどね、加齢と疲れでどうにかなったのかと思ってたけど、この目は節穴じゃなかったのね。

残した「TSUMUGU」に問いかけられ。

 

ニューアルバムからの贈り物のような前夜祭でした。 自分のなかで活きて。

今年も感謝。

今日も愛してます。