mirror guumii



今月の贈り物。
出会って二十年のカラヴァッジョ。

センパイの宮下規久朗さんは彼の本を出してた。

カラヴァッジョ狂。


新しい絵。

人を殺めたあとの絵はほとんど知らなかった。

知らなかった絵を見て思う。

この人は変わらない、と。

今への愛しさ、狂おしいまでの神への希求、そして信頼。



人を殺してまで欲しかった女のいるローマからの逃亡。

殺し合いの傷を癒しながら書いた、


「マグダラのマリアの法悦」 1610年(原画は1606年)


この世で思いを遂げられなかったマグダラのマリアに

思いを重ねるように、

マリアの孕んでいるような下腹部に自分が入っている。



「生誕」 1609年


南への逃亡。

好きだった彼女が馬小屋でマリアになっている。



そして彼女の肖像画


「フィリデの肖像」



以上の三点の絵は行方がわからなくなっているそう。


ローマで彼女に再会することを許されずに亡くなったカラヴァッジョが、

胸に抱いてるんだろうか?


それとも、あなた?



        




「カラヴァッジョ巡礼」  宮下規久朗著

2010年  新潮社



「カラヴァッジョ/天才画家の光りと影」

アンジェロ・ロンゴーニ監督  2007年