写真かと思ったら、作りモノだった。
マリオ・ジャコメッティの写真を見た時のような、
心に刷り込まれる感じ。
フィギアサイズのものから、5m!!ものまで。
どうみても、人に見せたいワタシなんていない姿。
感心し、食い入るように、見れば見るほど、残酷なほどリアルだ。
これがいったい、何の役に立つんだろう…と考える。
突如、
手塚治虫先生の「火の鳥」がやってきて、
宇宙からの使者が地球にくる。
この時、
この世の美を見せつけるより、
この作品たちを差し出すことが、
人間理解につながるんじゃないか、
と思う。
身も心も裸の人間の姿。
何か共感するところに、平和的会話が成り立たないだろうか。
もしくは、
未来へのサンプル。
朽ちない彫刻のお約束。
作品を…お人形って言っていいんだろうか、
を見ていると、
失意の中にも、歓喜の中にも、
リアルな人間が持ってる、
生きて行く力が見える。
今日の月。
ミュエック先生も手塚先生も、
喜んでくれるだろうか。
「RON MUECK」 ロン・ミュエック
2008年 有限会社フォイル