春告げ花、福寿草が咲いた
この辺では、万作とも言う
街なかの雪はとけ
遠い山は雪の白いボーダー
春を待っていた自転車が
うれしそうに
跳ねるように
飛び駆ける
「別冊太陽」にタイを張って
好きなアート徒然話しを
「別冊月燈」 べっさつげっとう
としてみた…
別冊って、定期機関紙もないんだけど…
創刊号三月の特集は
「オーギュスト・ロダン」
神の手を持つ男と言われる彫刻家
ミケランジェロやベルニーニも好きだけど
ロダンは、くっきりはっきり線、体の線を這うドレープとは異なり
優しく、幻想的な線
光りに溶け込んでしまうような
大理石のミルキーホワイトな鍾乳洞の
自然が作り出した柔らかい線を思い出させる
冷たい石が自然に溶け込むエロチィシズム
見るものに任せる柔和さ
そんな温かさを持ってる
まずは
「夢」
初見で、寝て夢をみる私を
辛く押しかかる重みから守ってくれてる人を思う
その人は全身でかばってくれてる
ロダンは、天使が羽根を押さえ
羽音で起こさないように舞っていると語ったそうだ
ロダンに話したら、それもそうかもね、笑いそうだけど
「雲の中のパオロとフランチェスカ」
雲と渾然一体になり、渦巻く煉獄の道行き
雲で隠れるパオロの顔
雲と混じるフランチェスカの髪を離さないように握りしめる溶ける手
驚くほどあどけないフランチェスカの顔
純なる罪深さを問うみたいな
眼は閉じられ目に見えない中いっしょにいる
「接吻」のモデルだった、「地獄の門」にいたふたり
「円柱上のスフィンクス」
ギリシャ時代の円柱の上に膝まづき
黄泉の国への入り口に向かい
自分を守ってくれる女性像スフィンクス
自分で作っちゃうのねー
顔は誰だか判然としない
さすがです
他にも好きな作品はいっぱいある
本物を見たらもっと感じることがあるんだろうな
底から見上げたり、上から見下ろしてみたり、対峙したり
いろんなアングルで、光りで、表情が違うんだろうな
写真を見ても表情が違うもの
おもしろい
パリのロダン美術館に行ってみたい
朽ちることない彫刻の時間
永遠と愛の時間