米国株、ダウ反落し245ドル安 ブロードコムとオラクルが下げ主導 ナスダックは続落
米国・欧州株概況
2025年12月13日 6:44

【NQNニューヨーク=矢内純一】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、終値は前日比245ドル96セント(0.50%)安の4万8458ドル05セントだった。人工知能(AI)投資を巡る不透明感が投資家心理の重荷となった。ハイテク株を中心に売りが出て、ダウ平均の下げ幅は一時360ドルを超えた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のブロードコムが11.4%下落した。11日夕に発表した2025年8〜10月期決算で売上高と特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った。AI半導体の受注が増えている一方、売上高総利益率が悪化する見通しを示し、売りが膨らんだ。

オラクルは4.4%安だった。オープンAI向けに開発を進めている一部のデータセンターの完成が2027年から28年にずれ込むと米ブルームバーグ通信が12日午前に伝えた。労働力や資材の不足が原因だという。データセンターの稼働が遅れると収益拡大のペースが鈍化するとの見方が強まった。

ブロードコムとオラクルの下落は、ほかのハイテク株にも売りが波及した。ダウ平均の構成銘柄では、エヌビディアやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが下落した。

ダウ平均と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日に最高値を更新した。高値警戒感や相場の過熱感も意識され、週末を前に主力株の持ち高調整の売りが出やすかった面もあった。

午前にダウ平均は上昇する場面があった。米連邦準備理事会(FRB)は10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で3会合連続で利下げを決めた。利下げが米景気や企業収益の追い風になるとの見方が支えとなった。ダウ平均は週間では503ドル高となり、3週連続で上昇した。

そのほかのダウ平均の構成銘柄ではキャタピラーやゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレスが下落した。一方、ウォルマートとマクドナルドが上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。終値は前日比398.686ポイント(1.68%)安の2万3195.169(速報値)だった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマイクロン・テクノロジーといった半導体株の下落が目立った。ナスダック総合は週間では1.6%安と3週ぶりに下落した。