ブログネタ:心に響いた言葉

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礼儀を重んじるという規範がある。

この規範は誰しも少なからず持っており、どんな場合でも固く遵守する人もいる。

これを「規範の内部化(内在化)」という。
規範の内部化は集団の協力体制を維持するために機能するといわれる。

規範が内部化されると、それを遵守した場合に快感情が、それを破った場合に不快感情が起こる。

このような感情を「社会感情」という。

つまり、なぜ礼儀を重んじるかといえば、自分が気持ちいいからであるが、
それは結果として集団の維持に役立つのである。

さて、『十二国記』というアニメで「礼」に対しての考え方が述べられている。
主人公の陽子が、景王として初勅を出す場面である。
少し長いが引用しよう。

「他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ安心できない者のことなど、私は知らない。それよりも、人に頭を下げるたび壊れていく者のほうが問題だと私は思う。人はね景麒、真実相手に感謝し、心から尊敬の念を感じた時には、自然に頭が下がるものだ。他者に対しては、礼をもって接する。そんなことは当たり前のことだし、するもしないも本人の品性の問題で、それ以上のことではないだろうと言っているんだ」

これを初めて聞いた時、私は迂闊にも涙した。
あぁ、そうだよな、と。

昨今、礼儀知らずの若者が増えている一方で、礼儀を重んじる若者も増えていると聞く。
彼ら彼女らは、礼儀を重んじない同じ世代の人々に憤慨している。
そこまで怒らなくてもいいのにと思いつつ、彼ら彼女らの規範の内部化が強力であることに震撼する。

礼は当たり前のことで不必要に強調することはないと考えているが、
そうも言っていられないのが現状かもしれない。

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