生命倫理学で有名な問。
「人間の命の値段は、いったいいくらでしょう?」

人体の構成要素は、酸素60%、水素10%、炭素18%、窒素3%、

カルシウム1.5%、リン1%、

その他少量のイオウ、ナトリウム、鉄、塩素などで構成されている。


体重60kgの人間で考えた場合、

これらの構成要素を現在の市場で全部買うと、約2000円になる。

つまり、体重3000gの新生児で考えると、100円ということになるのである。
まさに、1コインベイビーというわけだ。

これが命の値段だろうか?


例えば、NYの同時多発テロにおける被害者への補償は、
2億4000万円くらいだったらしい。
一方、アフガニスタンでは13万円だったという。


例えば、中学生がいじめを苦に自殺し、親が学校に損害賠償を請求すると、
その額は平均6000万円くらいになるらしい。


また、どこかの国の大統領には40億円という懸賞金が懸けられていた。
(Dead or Alive)



そして、生命保険会社では人間の寿命を確率論で計算し、

人間の価値を決定している。

生涯の推定年収や病気の有無、健康状態などから算出するのである。


すべてに共通して言える事は、命の値段は何かしらの付加価値を付けられ、
他者に決定されているということだ。

自分の値段を自分で決められる人は、あまりいない。


自分の値段は、いくらくらいだろう?
でも、それを考えること自体が安っぽいことなのかもしれない。



[今回の参考文献]

生命倫理とは何か/市野川 容孝
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生命倫理学入門/今井 道夫
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ホムンクルス 6 (6)/山本 英夫
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