
今は、まさに歴史の峠であるといえます!
われわれは今歴史の峠を越えつつある (ドラッカー) |
『新しい現実』より |
「平坦な大地にも上り下りする峠がある。 そのほとんどは、たんなる地形の変化であって、 気候や言葉や生活様式が変わることはない。 しかしそうではない峠がある。 本当の境界がある。 そして歴史にも境界がある。 目立つこともない。 気づかれることもない。 だが、ひとたび越えてしまえば、 社会的な風景と政治的な風景が変わり、 気候が変わる。言葉が変わる。 新しい現実が始まる」(『新しい現実』) ヨーロッパ大陸では、 アルプスのブレンネル峠がそのような境界 だという。 それは古より地中海文明と北欧文明を 分けてきた。 1965年から73年のあいだのどこかで、 世界はそのような境界を越え、 新しい次の世紀に入ったとドラッカーは言う。 それが現在なお進行中の転換期である。 この転換期は2020年あるいは2030年まで続く。 われわれは政治家、経済学者、経済人、 労働組合幹部、諸々の学者が関心を持ち、 書き、話している問題がすでに現実のものとは 違うことを知っている。 今日の政治学や経済学に特徴的ともいうべき 救いがたい非現実性が、その証拠である。 しかもドラッカーは、われわれが直面している 問題のいくつかは、過去の成功によって つくり出されたという。 「未だに昨日のスローガン、約束、問題意識が 論議を支配し、視野を狭いものにしている。 それらが、今日の問題の解決に対する 最大の障害になっている」(『新しい現実』) |