
ボクシング世界タイトルマッチ・試合詳細レポート
5月20日 東京・大田区総合体育館
12:00 試合開始
< WBA&IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 〉
【王者]田口良一
【同級6位】ヘッキー・ブドラー(南ア
フリカ)
<第1R>
両者オーソドックスの構え。田口、ブドラーともにジャブで相手の様子を見る。田口は相手の周りを円を描くようにステップを踏みパンチを出していく。ブドラーは低い姿勢からボディなどを狙うようになる。ともに細かいパンチを当てていくものの決定打はなく、第1ラウンドを終える。
< 第 2 R >
近い距離で対峙する両者。ブドラ一は
前に出ながらコンビネーションを繰り
出し、田口に迫る。田口はガードを固
め、当てさせないようにする。田口は
ブドラ一のスキをつき左フックでボ
ディに当てていく。頭をつけて打ち合
う展開も増えてくるがブドラ一が手数
多くパンチを繰り出す。田口はしっか
りガードしボディを当てていく。
< 第 3 R >
このラウンドもブドラ一が前に出て連
打を繰り出し、田口はガードを固めて
左ボディを当てていくという展開
に。ブドラ一の右が何度か田口の顔面
をかすめ、鼻からの出血が見られ
る。田口がボディを当てることからブ
ドラ一のガードがやや下がり、そこへ
田口の右ストレ一卜が入る。それでも
ブドラ一は打ち続け、タフさを見せる。
< 第 4 R >
ブドラ一はやや手数を抑えている。田
口はコンビネーションでブドラ一にプ
レッシャ一をかけるが、徐々にブド
ラ一も返してくる。ブドラ一もボディ
を中心に攻め始めると、左フックが田
口のボディを捕らえ動きが止まる。す
るとブドラ一がラッシュをかけロープ
まで詰めてくるが、田口は何とか耐え
てクリンチで体を入れ替える。ブド
ラ一はさらにラッシュをかけるが、田
口はしっかりガードし、このラウンド
を終える。
< 第 5 R >
田口は足を使って距離を取りながらブ
ドラ一の連打を避ける。1分過ぎたあ
たりで接近戦に切り替えると、ともに
連打を出していく。残り30秒を切つ
たところで田口の左ボディが入る
が、ブドラ一の動きを止めるまでは至
らず。
< 第 6 R >
1分過ぎに田口の右ストレートがブドラーをとらえる。それでもブドラ一は動きを止めず。徐々に田口のパンチがブドラ一のガードすり抜けていく
が、ブドラ一も打ち返してくる。ブド
ラ一の手数は減ってくるが、田口は
しっかりガードを固め、反撃の機会を
狙っていく。
< 第 7 R >
ブドラ一の手数が落ちていく中、田口
が積極的に手を出していく。田口は接
近戦の中で左ボディ、右ストレートを
当て、徐々にぺ一スを握る。右スト
レート、左フックでブドラ一のボディ
を捉えると、さらに右アッパ一が顔面
に入る。それでもブドラ一は倒れず打
ち返してくるが、田口も攻め切れずこ
のラウンドを終える。
< 第 8 R >
ブドラ一は息を吹き返したかのよう
に、田口のパンチに合わせて打ち返し
てくる。接近戦となる時間が増える
と、田口はボディを当て、アッパ一で
顔面を狙うが、空を切る。ブドラ一も
このラウンドは最後まで打ち返してきた。
< 第 9 R >
田口のワンツ一がブドラ一を捕らえ
る。さらに左フックも当てるがダウン
を奪うまでは至らず。田口はさらに前
に出て行くが、ブドラ一もしっかり
ガードを固め、決定打を許さない。残
り1分となり接近戦で打ち合うと、ブ
ドラ一も鼻から流血が見られる。それ
でもブドラ一は頭を下げて距離を詰め
て打ち合いにくる。
< 第 10 R >
ブドラ一は頭を下げながら前に突つ込
んでくるが、田口は上手くよけながら
打ち終わりに右ストレート、右アッ
パ一と当てていく。田口の右ストレー
ト、左ボディがブドラ一をとらえるが
倒れず。田口の攻勢が続くが、ダウン
を奪うまではいたらずこのラウンドを
終える。
< 第 11 R >
田口のボディでブドラ一の動きがやや
止まり始めるが、それでも打ち返して
くる。田口も手を休めず左ボディ、右
フックなどを出していくが、ブドラー
も粘りを見せる。最後は足を止めて打
ち合うが、ともに倒れず。
< 第 12 R >
最終ラウンドは拳を合わせてからス
タート。ブドラ一は距離を明けながら
パンチを打ってくるが、田口の左フッ
クが当たってダウンを奪ったかのよう
に見えたが、レフェリ一はスリップの
判定。田口はチャンスと見てラッシュ
に入るが、ブドラ一はガードを固めク
リンチで時間を稼ぐ。田口も最後まで
打ち続けるが、ブドラ一は意地を見せ
て最後まで倒れず、終了のゴングが鳴
る。終了後はお互い健闘を称えあっ
て、判定結果を待つ。
第12ラウンドのブドラ一のスリップ
は、田口がダウンを奪ったという判定
に。判定は0ー3でブドラー。後半に
ポイントを取り返した田口だった
が、序盤の劣勢が響いた。
【王者]●田口良一
判定
0-3 (113-114, 113-114, 113-114)
【同級6位]○ヘッキー・ブドラー(南アフリカ)
※田口が防衛に失敗。ブドラ一が新
チャンピオンに。