
だんだんと学校の卒業式のシーズンが近づいてきました。アメリカなど海外の大学では有名スターや成功した企業家などが招かれてスピーチをするのが恒例となっていて、数々の名スピーチが生まれています。
その一例に、Amazon.com の創業者のジェフ・ベゾスのPrinceton University での2010年5月30日の卒業式スピーチは心に残る素晴らしい感動できるものです。
ジェフ・ベゾスさんは子どもの頃に夏になると田舎の祖父母の家で仕事の手伝いや遊んだりすることをとても楽しみにして過ごしていました。
ジェフ少年は、いろんなことを計算するのが大得意で好きでした。
おばあさんはタバコが大好きでヘビースモーカーでいつも吸っていました。
ジェフはおばあさんの健康を心配して、タバコを吸うことが身体に悪く、一本吸う度に何分寿命が縮むという話を聞いて、おばあさんのタバコを吸った本数を日数で掛け算して計算して、おばあさんにそのレポートを見せて言いました。
ジェフは、おばあさんが「こんな計算もできるんだ、お前は賢いね」「私も健康のことを考えてタバコをやめようか」とおばあさんが言ってくれると思っていました。
でも、な、な、なんと、おばあさんの反応は意外だったのです。
おばあさんは泣き出してしまいました。
それを見たおじいさんはジェフを静かに連れ出して言いました。
「ジェフ、ある日、おまえにもわかる時が来るだろう。単に賢いことよりも優しさや思いやりの心を持つことの方が難しくて大事なんだよ」
ジェフ・ベゾスは天賦の才能とあなたによって選択されたものには違いがあると強調します。
賢さなど天賦の才能はいろんなものがあるでしょう。でも、思いやりはその人が選択したものです。
天賦の才能は簡単です。とどのつまりは与えられたものですから。選択することは難しいでしょう。注意を払わなくとも、自らに天賦の才能があれば自分自身を惑わすことができます。もしそうすれば、おそらく選択したものに損失を与えることになるのです。
ジェフ・ベゾスさんは Gifts(神から授かったもの) と Choices (自分の努力で選択したもの、学びとったもの)を対比させてスピーチを進め、Choices の重要性をさらに発展させ仕事や行動や日常生活をするのに、怠けなど安易なことを選択すると成功できないと言って、こういう困難でも有用で正しい選択が自分の成功の秘訣だと述べています。
なるほど、さすがAmazonを成功させた人は言うことが素晴らしいと思った。
卒業式スピーチとは、また別のジェフ・ベゾス氏の『後悔最小化理論』とやらも、とても役に立つ理論みたいですよ


リサ・クドローが Vassar College で卒業式スピーチ (2010年 5月23日)