すこし以前の新聞をスクラップしていたら新聞にとても考えさせられる素晴らしい詩が掲載されていましたので、みなさんに紹介します。
コトバの力 (谷川 俊太郎)
困ったものだよコトバって
せっかちでアタマでっかちで
矛盾するのが大きらい
黒か白かに整理したがり
やたら細かく名前をつける
今じゃコトバが多すぎて
ぼくらコトバの海に溺れる
名前を変えれば中身も変わる
そう思わせるのがコトバの怖さ
あっちの神がこっちじゃ悪魔
文字だけのからっぽコトバで
うるさいだけの大声コトバで
玉虫色のごまかしコトバで
ヒトはころころだまされる
嘘を本当にするのがコトバなら
本当を嘘にするのもコトバ
出来合いコトバをうのみにせずに
ココロとカラダの深みに潜り
生身のコトバを探すのだ
疑い抜いたその先に
自分のコトバが見えてくる
うわべは軽いコトバでも
ときには中身に命がかかる
中身の重みは辞書にはない
中身を生むのは生きてるヒトだ
したたかにしなやかにゆったりと
ごまかさず言訳もせず他を責めず
真正面から届くコトバ
そんなコトバこそ本当のコトバ
ココロとカラダの底から湧いて
情にからんでささやき叫び
とことん論じて理を尽くし
ときには口をつぐんで謙虚に刻む
ヒトとヒトとを結ぶへその緒
コトバのいのちは日々甦る


コトバの力 (谷川 俊太郎)
困ったものだよコトバって
せっかちでアタマでっかちで
矛盾するのが大きらい
黒か白かに整理したがり
やたら細かく名前をつける
今じゃコトバが多すぎて
ぼくらコトバの海に溺れる
名前を変えれば中身も変わる
そう思わせるのがコトバの怖さ
あっちの神がこっちじゃ悪魔
文字だけのからっぽコトバで
うるさいだけの大声コトバで
玉虫色のごまかしコトバで
ヒトはころころだまされる
嘘を本当にするのがコトバなら
本当を嘘にするのもコトバ
出来合いコトバをうのみにせずに
ココロとカラダの深みに潜り
生身のコトバを探すのだ
疑い抜いたその先に
自分のコトバが見えてくる
うわべは軽いコトバでも
ときには中身に命がかかる
中身の重みは辞書にはない
中身を生むのは生きてるヒトだ
したたかにしなやかにゆったりと
ごまかさず言訳もせず他を責めず
真正面から届くコトバ
そんなコトバこそ本当のコトバ
ココロとカラダの底から湧いて
情にからんでささやき叫び
とことん論じて理を尽くし
ときには口をつぐんで謙虚に刻む
ヒトとヒトとを結ぶへその緒
コトバのいのちは日々甦る

