前回の続き。
ある日、フィーバービューティフルⅡを打っていた私の両隣におっさんが座ってきたのだった。
他に空き台はあるのに・・・なぜ同時に俺を挟むんだ??
まぁ、あまり深くは考えずに続行していたのが、しばらくしてあることに気が付いた。
両隣のおっさん、最初に500円投資しただけで、その後お金を使っていない!!
何かおかしいな~と思いながら、なるべく分からないように両隣を観察しながら打っていた。
そして私の視界に入った出来事・・・・「ん??今アタッカーが一瞬開いたぞ!!」
右手でハンドルを握り、左手は下皿にあった。
そうか・・・これがセルを使ったゴトなのか!!と、私は確信した。
それにしても、左手はパッと見違和感はなく自然だった。相当慣れているのか、訓練もしたんだろうな。
ゴトは犯罪・・・本来ならば店員に通報すべきだ。
しかし、挟まれた状態な上に気弱な自分・・・・通報できなかった。
こんな状態で落ち着いて打てるわけはなく、どうしたものかと思っていると・・・
「にいちゃん、3000円やるから台を譲ってくれ」
左に座っていたおっさんが、私に提案してきた。
これも、本来ならば断わり、店員に通報すべきなのである。
しかし・・・自分の身を守り、トラブルを回避する気持ちがまず勝ってしまった。
正直な気持ちを書くと、こう提案されたことは「渡りに船」だった。逃げることができるのだから。
フィーバービューティフルⅡの出玉もいまいちだったので、提案を承諾し、私は3000円をもらって台を離れ、出玉は交換した。
もらった3000円を合わせて、フィーバービューティフルⅡでは1万弱の勝ちか・・・といったところ。
この時点で通報することも考えた。
しかし、私が通報したということはバレバレになるだろう・・・・その後どんな目に合うかも分からない・・・やっぱり通報できなかった。
時間はお昼過ぎで、家に帰るにはまだ早い・・・どうしよう?
台を譲られ、そのおっさんは仲良く並んでフィーバービューティフルⅡを打っている。
私を追いやったのは何でだろうか・・・ちょうど死角になる場所だったのだろうか。
それ位しか考えられない。
しかし、シマ毎に防犯カメラがあるし、この時代、今ほどではないにせよ、最低限のセキュリティ対策はとられていたはずだが・・・・。
また、ちょうどこの頃は、パチンコメーカーもセキュリティ対策を台に施し始めていたのではないかと思う。
ハッキリとどこから始まったのかは知らないのだが、今回のゴトのように、「当たっていないのにアタッカーが開く」ということが起こると警告音が鳴ったり、台のガラスを開けると同様に音が出る等。
フィーバービューティフルⅡではそういう対策はなかったのか・・・それともこのゴト師はそれをも突破していたのかは分からない。
とにかく、この日のこれからの行動をどうするか・・・しばし考えた。
続きは次回。
ふと思ったのだが・・・私が当時行ったこの行動も違法行為になるのだろうか。
犯罪に協力した罪とか・・・・それを思うと少し怖いのだが・・・20年前のことだし、もう時効ですよね?