前回の続き・・・なのだが、三星の一般電役機スクランブルの特徴を少し書こう。



当時一般電役機は、「大当たり→右打ち」を採用している機種が多かったのだが、スクランブルは釘調整次第で通常打ちのままでも大丈夫なゲージになっており、当時打っていたコア21でも大当たり中は通常打ちのままだった。ちなみに三星はこの機種以降、一般電役機を多く発表していた・・・オークス2・フーリガン・小龍包2・杏仁豆腐・・・など。


リーチアクションはシンプルで3種類しかない。当たり図柄の前後でコマ送りをするノーマルリーチ・そこからの発展で音が高くなり図柄の点滅が激しくなるロングリーチ・さらにそこからの発展で当たり図柄が過ぎたり戻ったりユラユラするスーパーリーチの3種類。当時はリーチに名前などなかったので説明が苦しいかもしれない・・・ちなみに、リーチに最初に名前がついた(つけられた)のは、豊丸の「デジパチ甲子園」というデジパチにあった、「青春の輝きリーチ」ではないかと思っている。


スクランブルでは上記3種類のリーチだったのだが、ノーマルでも当たるし、これでも十分楽しかった。現在のパチンコをたまにゲームセンターでするのだが、もう演出が過剰過ぎて何がなんだか分からない。デモの演出も派手なので、あまりにも長いリーチで画面内で繰り広げられるのは数字が揃うかどうかではなく、何か安っぽいドラマのようなものが展開されていると「これってリーチ中?デモ画面?」と分からなくなったこともある。リーチ演出を見て喜ぶ人、役物が動いたり光ったりに喜ぶ人がいると聞く・・・パチンコの本質からは外れていると思うのだが。


一般電役機で書かなければならないことは、「連チャン」だ。

一般電役機での連チャンは、1990年の内規改正の前と後で大きく変わった。

1990年の内規改正では、最大賞球の変更等様々な変更があったのだが、一般電役機のメモリー搭載の義務付けが大きな変更であった。

内規改正前も、一応メモリーはあったのだが、メモリーできる数が多く実質ないも同然の状態であった。

改正後は電動チューリップには、デジパチの保留ランプ同様4つまでの保留しか認められなくなった。

このことに大きく影響を及ぼすのが連チャンなのだ。


内規改正前の一般電役機の代表として、以前にブログで紹介している、大一のフルーツパンチを挙げる。



この機種も電動チューリップの連動によって出玉を増やす。

最終的に一番出玉を獲得できるのは、一番下の電チューが開いて玉を拾う→下から2番目の電チューが開放という流れ。

もちろん、一番下の電チューを開かせるためには、一番上と上から2番目の電チューにも入れる必要があるわけだが、一番出玉を獲得するのは上記の流れだ。

一番下の電チューが、「何回開くか」を記憶しているのがメモリーである。

一般電役機は大当たり中にもデジタルを回せる。

フルーツパンチで大当たり中に大当たり(連チャン)が発生した場合、一番下の電動チューリップには上乗せ入賞あった分がしっかりと記憶され、相応の回数開く。

つまり、フルーツパンチの場合は、連チャンが発生すれば、ほぼ丸々2回分の出玉を獲得することができるのだ。


同様のことがスクランブルのような内規改正後の機種で起きるとどうなるか・・・

スクランブルの場合はフルーツパンチと電動チューリップの配置等が違うが、連動の流れは同じである。

スクランブルの場合はフルーツパンチでいう一番下の電動チューリップに、4つのメモリーが搭載されている。

そのメモリーは、通常1回の大当たりでまず満タンになり、それを消化していく。

大当たり中に大当たりが発生した時(連チャンした時)、メモリーが満タンだった場合、それ以上記憶ができない。

そしてフルーツパンチでいうところの下から2番目の電チュー開放数は、メモリーの数だけしか開かない。

早い話がメモリーが満タンの状態で連チャンした場合、出玉はほとんど増えないということ。


スクランブルでは、大当たり中の速攻の連チャンは、全くうまみのない物なのだ。

途中での連チャンであればある程度出玉は増えるが、結局のところ連チャンした時の空きメモリー分だけ増えるということである。

パチンコ雑誌などでは、「大当たり中の連チャンで出玉を増やせる!!」などと煽り文句が書かれてあることが多かったが、実際のところは全くおいしくない・・・むしろ損した気分だった。

大当たりするならば、大当たり中ではなく大当たり終了後がフルに出玉を捕れて一番いい。

うまみがあるとしたら、閉店間際の大当たりとか、もうこれでやめるという時の連チャンくらいであろうか。


また今回も、タイトルの「出玉泥棒」のことを触れていないのであるが・・・

少しずつ核心に入っていく。

前置きがものすごく長くなっているのだが、このスクランブルを当時熊本市下通りのコア21で打っていた。

私は熊本では、コア21下通り店で最もパチンコをしている。まぁ常連であった。

常連でいると、同じ常連である客に声をかけられることもしばしば。

その中で、当時私は20代前半・・・そして推定30才位の常連の男性に声をかけられた。

「お前、プロ?」と。


自分はプロではないことを伝えたが、彼はコア21の中で数少ない、勝つことを前提とした立ち回りをしている男で、当然私は存在を知っていた。

私よりも勝ちに徹した行動をしていたかもしれない・・・彼は連チャンアレパチには手を出していなかった。

私は以前のブログに書いた通り(まだ書く予定もあるが)アレジンも好んで打っていた。

そんな私に「あれは安定して勝てんだろ?打たない方がいいよ」と、実際は方言混じりに助言もしだした。


彼は、いつも私と同じ位の年の別の男性と入店し、私と同じように朝一のタイムサービス狙いの行動をとっていた。

彼と打つシマが被ることもあったが、コア21は設置機種が非常に多かったので、被ることはそれ程頻繁にはなかった。

そんな中しばらくの期間、スクランブルとその背中のシマで一緒に打つことが多かった。


長くなったので続きは次回にする・・・・