カーニバルの大ヒットを受け、次にニューギンの投入した権利物が、

3回権利物の「カルメン」である



馬並の、ちょっとマニアック・パチンコ回顧録

見た目通り、表面上のゲーム性はカーニバルと全く同じであった。

デジタルのオールマイティ図柄が「サボテン」になり、サウンドが少々変わったこと、アタッカーの形状が変わった程度の違いしかない。

しかし実際のゲーム性は、元々が大量出玉で波荒の部類に入るカーニバルを、更に波荒にした仕様であった。


初当たり確率は1/360と・・・カーニバルの1/300からするとかなり低くなった。

しかし、カルメンには3回権利終了後少ない回転数で再び大当たりする“数珠繋ぎ連チャン機能”が備わっていたのだ。

連チャン条件は、「アタッカーに9個以上入賞させること」

アタッカーは9カウントで閉じる仕様だったのだが、9個以上の入賞が条件であった。

ゲーム性を生かすため、アタッカーへの寄り釘はプラス調整している店が多く、割とこの条件は達成しやすく、難しいものではなかった。


9個以上入賞させる必要があるのは3回目の権利消化時の最終ラウンドである。

ちなみに、1、2回目の権利消化時は、最終ラウンドでアタッカーに9個以上入賞した場合、次の権利発生までの確率が、メーカー発表である確率10倍アップ(1/36)よりも高くなっていて、すぐにデジタルが揃った。

9個以上入賞しなかった場合は、メーカー発表通りの10倍アップとなっていたので、100回程度のハマりは十分に起こりえたのだ。


思うに、こういった仕様は保通協対策の意味もあるだろう。

保通協の検査を通らないと、台を市場に出すことはできないわけだが、もちろん連チャンは表向き禁止になっている。

カルメンの釘を、ノーマル調整のまま打った場合、アタッカーに毎回9個以上入賞させるのは難しいと思われ、当然意図的な連チャンなど発生しない・・・つまり、「合格台」となりやすいわけだ。

この頃になると、「どうやって保通協通ったんだ!?」と思われるような連チャン機(普通に打ってるだけで連チャンする機種)も多くあったのだが、それらはデジパチの話。

3回権利物の連チャンとなると、デジパチよりは厳しい目があったのかもしれない・・・まぁ、当人でなければ分からないので想像の域を出ないのだが。

デジパチの場合、黙認があったことは間違いない。


連チャンの仕組みは、以前に紹介した、一連の三共フィーバーシリーズ(スパーク、マキシム、レジェンド)と似た仕組みで、大当たりには2段階判定を採用。

コンピューター関係の詳しい話は省略するが、フィーバーシリーズではプログラム内部の“ゴミ”が、大当たり終了後の1回転目に限り2段階判定の内1つがスルーされるという状態を誘発していたのだが、

カルメンの場合は、アタッカーへの9個以上入賞があると、一定の確率でスタックオーバーフローという現象が起き、2段階判定の内の一つが超高確率になるというものだった。


9個以上の入賞に成功すると、ドキドキしながら次のデジタル回転・・・そして最初にかかったリーチが激熱!ロングに発展した場合は超激熱!!

だったのだが・・・・私は、カルメンでいい思いをしたことはあまりなく、ハマった印象が強い。

カルメンの次に登場したのが、パチンコ業界で、「権利物初の液晶モニター搭載」になった「キューティーバニー」だ!


この話はまた次回。