前回に引き続きフルーツパンチだが、写真は新セルである。

馬並の青春の軌跡


前回書けなかった、フルーツパンチの特徴をもう少し・・・
フルーツパンチのデジタル表示は、現在はほとんど見なくなった7セグメント表示である。
私は、ドラム式の表示が最も好きなのだが、7セグはその次に好きな表示形式である。
次はドット、その次は液晶・・・だろうか。
デジタルの停止順序は「左→右→中」。
左右には赤の0~9までの数字しかなく、表面上リーチは1/10でかかっていた。
中デジタルは赤の0~9と、ハズレ図柄の黄色い0~9、同じくハズレ図柄の2つのアルファベットがあり、表面上リーチが当たる確率は1/22であった。
実際の大当たり確率は1/240なので、「リーチはよくかかるけどなかなか当たらない」印象が強い。
この台は一般電役だが、当時のデジパチ(権利物は除く)は、表面上の大当たり確率と実際の大当たり確率との誤差を±10%以内にするという暗黙の了解か・・・取り決めがあったようで、大きく誤差のある機種は存在しなかった。
CR機の登場から、この取り決めが崩れ何でもアリになってしまったのがちょっと悲しい・・・
見た目は1/100なのに、実際は1/400なんて台がゴロゴロしだしたのは遺憾に思う。

フルーツパンチでは、特に色違い同数字で停止した時はかなり悔しい思いをしていた。
リーチにはスーパーリーチなどなく、スロー回転になるリーチだけだったが、それでも充分に楽しめた。
多分、今でも楽しいと思う・・・スーパーリーチなど必要ないのだ。
大当たりになった瞬間、デジタル裏側にある赤いバックライトがビカ~!!と点灯するのも忘れられない。
この演出にはとてつもない快感を得たものだ。

そして、肝心の連チャンの理屈であるが・・・
この機種は大当たり判定に使われる乱数値の取得タイミングが、一般的なデジパチなどとは違っていた。
一般的なデジパチは、スタートチャッカー(ヘソ)に玉が入った瞬間の数値が参照されるのだが、
フルーツパンチはヘソに入った時はデジタルが回るというだけで、実際に数値を取得していたのはデジタルが停止状態に入る直前であった。
保留ランプが点いている状態は、その後のデジタル回転が保障されているだけであって、当たるか当たらないかはまだ台も分からない。
フルーツパンチは、現在のデジタル台のように、保留ランプの数に応じた回転時間の変動はない。
つまり、連続回転を続けていて、リーチのかからない状態だと、乱数は常に一定間隔で拾われるわけである。
ちなみに、保留の状態に応じて回転時間を変動させる機能は、マルホンの「ロータリーセブン」が最初ではないかと自分は思っているのだが・・・機会があればまた書きたい。

脱線したが、以上の特徴故、有り得ないことではあるが、リーチがかからずにずっと連続回転を続けていると、240回転までに必ず大当たりするのもフルーツパンチの特徴である。
大当たりして、次に保留玉の消化が始まりだすまでの時間も一般電役機ゆえに常に一定・・・このことから、大当たりとなるリーチの時間を調整すれば、次回転でも大当たり乱数値を拾わせることが可能なことが分かる。
仕組まれた強制連チャンでありながらも実は自力で大当たり乱数値を拾っている・・・これがフルーツパンチの連チャンの秘密だった。
このことを知った時、私は「よくぞこのシステムを考えた!!」とえらく感動したものだ。

実際にはリーチがかかった瞬間の中出目が、どの図柄から始まったかを見れば、そのリーチが大当たりになった時連チャンがあるかないかが判別できた。
しかし、これを知ったからといって勝ちやすくなるわけではないので、ドキドキ感を味わうために自分はわざと暗記しなかった。
リーチがかかった時に保留玉がないと焦ったのもフルーツパンチの思い出だ。
右打ちをしていると、ほぼヘソには入らない。
そういう意味でも回る台を打つべきだったのだが、フルーツパンチはゲージが甘く、台の仕様も甘かったので、大きくマイナス調整されてる台が多く、回る台というのはなかなか存在しなかった。
自身の最高連チャンは4連チャンだが、実は5連チャン以上はしないように、乱数取得タイミングをずらす処理がなされていた。
大当たり途中に自力で当たりを引かない限り、5連チャン以上することはなかったのだった。
大量出玉に高確率連チャンもある仕様だったので、これは致し方ないであろう。

熊本市上通りアーケードにあった「上通り街道」という店で4連チャンしたことをなぜか覚えている。
この店は1階と地価1階がパチンコ屋という変わった作りで、地下コーナーは当時では珍しい全台無制限コーナーだった。
もちろんフルーツパンチは地下にはなく、一回交換営業であったのだが。
釘は渋めであまりいい店とは言えなかったが、居心地がいいので時々この店で打っていた。
フィーバーフラッシュⅠのことを書いたブログ記事にも書いたが、昨年熊本を訪れた際にこの店も探したが、この店もなくなっていた・・・・しかし建物はそのままで、100円ショップに様変わりしていた。
地下へと降りる階段がえらく懐かしかった。