パコ・デ・ルシア In コルドバギター音楽祭
この日、ギター界の巨匠は神になった。
コルドバのギター音楽祭は、毎年7月上旬に催されるギターの祭典だ。
連日、ギター界の著名なアーチストが、街のあちこちでコンサートを行ったり、
特別授業を行ったりするので聞いたことのある人も多いだろう。
スペインの中でもダントツの重要性がある。
ここ数年、活動を自粛し、もはや引退の声もささやかれていたパコ・デ・ルシアの貴重な
生演奏を一目見ようと、スペイン中から観客が押し寄せた。
そして、パコは、弾いた。聴衆の期待を裏切ることなく。
いや、そうじゃない、いい意味で、期待を見事に裏切ってくれた。
その華麗な指さばきと透き通った透明な水のような音は、さらに磨きをかけられていた。
絶え間なく、励ます「パコォ!」の掛け声。
共演のアーチストも、もう、あとこんな舞台が何回踏めることかという事実を知ってか、
真剣そのもの。彼と一緒の、この1分1秒たりとも逃すまいと、
全身全霊でパコの世界で歌い、奏で、踊った。
最後のアンコールでの、Entre Dos Agua コール。
それに答えて弾かれた、今まで見たことのない、ダブルギターでのファルセタの遊びを
聞かせてくれた。舞台と客席が一体になって、いまこの時をみんなと共有しているありがたさ。
隣の席の友人は、感極まって泣いていた。