アルバート・ラズロ・バラバシ, 青木 薫
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

「私たちはごく小さな世界に住んでいるのではないか、この世のすべてがひとつにつながっているのではないか。長いこと人間はそう思って生きてきた。実際、地球上のネットワークは、今このときも果てしなく広がり続けている。人間の脳からインターネット、経済、それに個人的な友人関係にいたるまで。つまり、すべてのネットワークは、純然たる秩序とシンプルな法則によって成立していたのだ。」構造物理学者でありネットワーク理論研究の第一人者アルバート・ラズロ・バラバシによる本。
たったひとつの分子や遺伝子だけに着目して病気を治療すると、医師たちはたちまち困難な問題に直面してしまう。それは、生命体に共通する複雑な相互関連性を無視しているからという、著者の鋭い洞察には、非常に共感できる部分が多い。
禅でいうところの「すべてはひとつ」、ニューエイジでいうところの「ワンネス」の思想に科学が追いつく日は、それ程遠くないかも知れない。