今回は部品材料、主にドライカーボンに焦点を当てます。
1 CFRPとは
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)はいずれもFRP(Fiber Reinforced Plastics):繊維クロスを使った強化プラスチック(複合材料)です。
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FRP成形の様子 "出典 Easy composites Ltd
特に炭素繊維は六角形の黒鉛結晶が積層したハニカム構造になっているため、平面方向に対して強度があるためCFRPは高い剛性が期待できます。
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CFRPといってもウェットとドライの2種類あります。
共にカーボンクロスをエポキシなどの樹脂を含浸させ積層して成形するという点では一緒なのですが、ウェットは積層しただけのもの、ドライは積層後、真空引きして高温高圧状態で硬化させたものになります。
レースカーや航空機に用いられるのはドライカーボンで、ウェットカーボンは強度の弱い部品表面に張り込んで剛性を上げるための応急措置か(なんちゃって)ドレスアップパーツとしての役割で使用されているのが実情だと思います。
2 CFRP製法
ドライカーボン部品の作り方は以下のようになります。
1 型制作
造形対象、要求に合わせて型の分割を決め、カーボンクロスを張り込む型を作ります。参考動画を見てもCADでデータ作成してマシニング造形という流れが最近の主流のようですね。
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”出典:UCHIDA
2 プリプレグ積層
予め樹脂を含浸させてあるカーボンクロスの"プリプレグ"を型に張り込んで積層していきます。プリプレグの厚みは0.05から0.25mmといった薄さで剛性を確保するために何層か積層します。この積層数を表す単位として"プライ"が使われます。例えば板厚1mmの部品を造形する場合は0.25mmのプリプレグを4プライといった積層になります。
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”出典:UCHIDA
3 真空引き
型ごと密閉して真空状態にします。カーボンは積層面での剥離が問題となるため、その原因となる気泡が入るのを防ぐ目的なのでしょうね。
ドライカーボンの裏面にシワがあるのは真空引きした際のシートの縮みが模様として浮き出るためです。こちらはカーボンクロスを張り込む側ということで”ハンドサイド”と呼ばれます。一方”ツールサイド” と呼ばれる型と接している面は滑らかな面となります。
単純形状であれば、型を分割することによって両方ツールサイドにもできますがコストも高くなりそうです。
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”出典:UCHIDA
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4 加熱硬化
オートクレーブに入れ、加熱硬化します。
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”出典:UCHIDA
熱硬化樹脂の硬化温度は100度から200度の間のものが多く、ちょうど硬化温度まで上げて成形していると思われます。
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カーボン成形参考動画
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”出典:Easy composites Ltd
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" 出典: UCHIDA
人の手が入らざるを得ない、非常に手間のかかる製法ですね。
ドライカーボンは仕事で扱うことがあるのですが、手のひらサイズでも10万くらいしたりと非常に高いです。
3 織目種類
織目には主に平織と綾織という2つの種類があります。F1部品を見ると綾織が多い印象です。
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4 ドライカーボン欠点
ドライカーボンの欠点としては下記のようなものが挙げられるでしょう。
4.1 非常に高価
材料費、人件費、加工費、加工に必要な設備費用が大きい。
さらにカーボンクロスを張り込む型が必要になるため、製品代に型の減価償却費がのってしまう。(特に一品物にした場合や金属型を使用する場合は高くなります)
4.2 衝撃に弱い
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金属系の素材と比較して強い衝撃を受けた場合、繊維が樹脂から剥離する為、耐衝撃性に劣る
” 出典:wikipedia
4.3 樹脂依存の耐熱性
部品を構成している熱硬化樹脂の硬化温度を超えると劣化すると思われます。
F1などでも対策が見られますが、高温になるエキパイやターボチャージャー、触媒の近くは断熱材を貼った方が良さそうです。
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5 ドライカーボンスキン + アルミハニカム コンポジット
さらなる軽量化を考える場合はアルミハニカムとの組み合わせが有効です。
板厚の厚い部品を作る場合、無垢のカーボンにするよりも、内部をアルミハニカムにして表面だけカーボンにした方が強度を確保した上で軽量化することができます。
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最終更新日時 2018/02/09


