今回は冷却用開口のNACAダクトについて情報収集しました。

1 冷却開口タイプ (Scoop vs submerged type)

冷却用開口には外側に張り出したスクープ形状と内側に凹ませたタイプがあり、NACAダクトは後者の方ですね。

1.1 Scoop type

スクープ形状ですぐに思い浮かべるのはNSXの”チョンマゲ”エアインテークやスバル インプレッサのボンネットスクープなどがあると思います。

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前方の影響を受けずにエネルギーの高い流体を吸入させることができるため、大きなクーリング性能向上が期待できる吸気口形状です。また壁面には境界層と呼ばれる流速の薄い層が発達しているため、チョンマゲ形状にして境界層よりも吸入口が上側に飛び出るようにすれば、その影響を減らすこともできます。
(下図のCFD結果は地面にも境界層が出てしまっているので固定地面風洞模擬でしょうね)

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1.2 Submerged type

逆に壁面側を凹ませるインテークとして思い浮かべるのはNACAダクトやミッドシップのドア後ろインテークでしょうか(スクープとのハイブリッドが多いですが)。
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”出典: ランボルギーニ

凹ませると曲率がきつくなるため流れが剥離しやすくなるのですが、緩やかな凹ませであれば剥離させずにスクープと同様に効率的な冷却風の導入が期待できます。また、スクープの方が吸気面が高圧になるため、クーリング効率では勝りますが、凹ませタイプは後述するようにドラッグ低減効果があります。

2 NACAダクト

NACAダクトの"NACA"はNASAの前身のアメリカ航空諮問委員会(National Advisory Committee for Aeronautics、NACA)に由来しており、呼び方は諸説あるため省きます(エヌエーシーエーと呼んでおけば間違えはないでしょう)。

形状と気になる機能ですが、下記解説がありました。



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This design is believed to work because the combination of the gentle ramp angle and the curvature profile of the walls creates counter-rotating vortices which deflect the boundary layer away from the intake and draws in the faster moving air, while avoiding the form drag and flow separation that can occur with protruding inlet designs. This type of flush inlet generally cannot achieve the larger ram pressures. However it is common for engine and ventilation intakes.

先端の幅が狭く、徐々に開口が広がっていく形状ですね。
境界層より外側のエネルギーが高い流体(主流)を取り込むためにダクト両端に縦渦を発生させているようですね。
ストレートプロファイルの開口では境界層をそのまま吸ってしまうのですが、縦渦のミキシング効果を利用して、より上流側から主流を取り込んでいるのでしょう。

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3 Scoop vs NACA duct 性能比較


性能比較している面白いブログを見つけたので紹介します。

下図のようなモデルを使ってCFDで性能比較したようです。左がNACAダクト、右がスクープですね。

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気になるクーリング性能比較ですが、スクープ形状が圧倒的に優位ですね。同じ開口面積でもスクープの方が2倍冷却風が入っていきます。シミュレーションで境界層を捉えられるメッシュを使用しているか不明ですが、実際もNACAダクトは境界層の遅い流れを吸い込むのでスクープに比べて不利だと思われます。冷却をどうしても確保しなければならない場合はスクープを使用した方が良さそうです。(特に車は冷却が成り立たなければ走れませんのでクーリングは重要だと思います)

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Scoopのネガはやはりドラッグですね。下図は速度分布(厳密にはマッハ数)を比較したものです。

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Scoopでは後方で剥離が発生し、抵抗が出てしまうことが理解できると思います。クーリング要件が厳しくない場所には積極的にNACA ダクトを使った方が良いということが分かります。

4 結論、まとめ

下記のような結論になると思います。

・スクープの方がNACAダクトよりも冷却効率が良い。
 --> 冷却要件の厳しい箇所にはスクープ使用が効率的

・NACAダクトの方がスクープよりもドラッグ(抵抗)を抑えられる。
  --> 冷却要件が厳しくない場所にはNACAダクト積極使用でドラッグ低減が期待できる。