海峡越しに見える福岡タワー周辺の素晴らしい夜景、そして嵐の雲を切り裂くように輝く星々達。
オリオン座の煌めきは防波堤に1人立つ俺を優しく見守っているようだった。
タバコに火をつける。
その時ライターの火を消すように一陣の風が吹いた。
その時、冷たい風が耳元で俺にこう囁いた気がしたんだ。
「もう帰りなさい」と…。
時刻は深夜1時。
「闘志どころか凍死寸前」
釣れるどころか当たりもねぇ。吉幾三のあの歌が聞こえてきそうだ。
ハァ、魚いねぇ当たりがねぇ全く釣り人は俺ひとり…。。
世の中甘くなかった…。
(*^_^*)
一心不乱にルアーを投げ続け、青虫を着けては投げ釣り、豆アジを釣っては泳がせ釣り。
もうやれる事全部やったって!なんか釣れろって!!
何か一匹釣れたら、、帰るから…。
久々の釣りと言う事も有りましたが、あまりの寒さと釣れなさに段々と火がついてきて、闘志が湧いてきて気が付けば7時間も釣りしてました。
頭の中にロッキーのテーマが鳴り響く…。筆者は熱血な所があるので、何でも限界までチャレンジしてしまいます。
しかしこれは逆に言えば、「諦めが悪い笑」
そして2時を過ぎても黙々と竿を投げ混んだ。
そして筆者は考える事を辞めた…。
「まぁ、こんぐらいにしといてやるわ。今日は。」
こんな言葉を最後に釣り場を後にするべく片付けと掃除を始めた。
が、しかし車の中のある物が目についた。
それは夕食用に買った弁当だった。「エビチリ弁当」。
次の瞬間にはその半額で買った普段700円もするとは思えないデパ地下の小ぶりなエビチリのエビを仕掛けに着けエビを海に投げこんでいた。
「うおおおおお!!」頭の中ではランボーが機関銃を乱射した時の雄叫びのような声が鳴り響いていた。
すると、、恐ろしい早さで海に刺さる電気ウキ!
勝利へのアーチを描くようにしなる我が竿!!
そして「マジか」と慌ててテトラポットから落ちそうになる俺!
待望のフィッシュオン!!大胆かつ慎重に、いや恐ろしい程慎重に釣り上げた。
そして釣れた。念願の魚だ。しかも正直に言って、
にんまり(^-^)
初めて釣る魚だった。
正直居たんだコイツ…。
と言う感じでした。
それからは嘘のようにそのエビチリのエビを使った所同じ魚が2匹釣れ、投げ釣りの青虫にも違う魚がヒット。
それがコイツらだ!
何とまさかのシマアジ3匹にマゴチ1匹に小チヌ1匹。「エ、エイドリアーン!!」
釣りを終えた時こう叫びたい気持ちに襲われる、素晴らしい釣果で闘いを終えた。が、しかし恋人が自分には居ない事に気付き、2秒ぐらいで冷静を取り戻し、タバコに火をつけて釣り場を後にしました。
まさかシマアジが釣れるなんて思ってなかった。
コイツが福岡に居るとは本当に思いませんでした。
今までガキの頃から福岡で釣りしてますが、釣れた話は聞いた事無かった。
最初釣れた時は「ヒイラギ」のバカでかい気持ち悪いの釣れた…最悪。と思ったぐらいに信じられませんでした。
正直シマアジなんて福岡じゃ「都市伝説」ぐらいに思ってました。
もしかして地球温暖化の影響なのか…。
エビチリのエビが8匹しか無かったので、数釣れませんでしたが、アタリはガツガツあったので群れていたはず…。
ルアーで釣れる魚のはずなのにルアーには何を投げても全く反応せずに、エビにしか反応しませんでした。
腕か…笑
シマアジを刺身にし、マゴチは唐揚げに。
チヌは捌くのが面倒になったので、のら猫に。
酒は刺身にはもちろん日本酒、銘柄は「八海山」
癖が無く、透明感のある水のようにスッと入って胸で熱くなるいい酒だ。
長く寒い時間を闘い抜いたからこそ、非常に美味しかった。酒もすすんだ。
俺は喜びを噛みしめながら眠りについた。
あり得ない事が起きる日だった本当に。
そして目覚めると白鵬が勝っていた。「ん…?」
気付いた時は遅かった。
待望の休みはもう半分潰れていた。
あり得ないぜ…ふぅ。終