ルドルフ・シュタイナー

 

神秘学概論より抜粋

 

 

 

 

超感覚的認識を獲得するために

 

 

霊学の意味で超感覚的な世界の認識を獲得する道は、『認識の道』とも呼ばれうる。本書の中でこの道が詳論されている。

この道と並んで、『感情の道』と呼びうるような、別の道もある。とはいえ、前者の道が感情の育成と無関係であるというのではない。むしろその道は、感情生活を可能な限り深めようとする。けれども、『感情の道』は、直接感情だけに向かい、そこから認識へ高まろうとする。魂が一定期間、ある感情に全面的に帰依し続けると、その感情はイメージ豊かな直観へ、認識へ変容する。

たとえば、魂が数週間、数か月間、謙虚な感情に充たされた生活を過すならば、感情内容が直観内容に変化する。このような感情を段階を追って体験していくことによっても、超感覚的な領域への道を見出すことができる。

 

とはいえ、この道は、現代人が通常の生活をしている限り、容易には達成できないであろう。孤独になること、現在の生活から隠遁することがほとんど不可欠なのである、なぜなら、日常生活が与える印象が、特に修行の初期においては、魂による特定の感情への沈潜を妨げるからである。これに反して、本書に述べられた認識の道は、現在のどんな生活状況においても、歩み通すことができる。