ー密やかに学ぶ人の養いにとって、ことに重要であるのは、他の人が語るのを聴く、その聴きかたである。その人は、きっと、みずからの内がすっかり黙るようにして聴くということを習いとするようになる。ひとりの人が意見を陳べ、もうひとりの人がそれを聴くにおいて、聴く人のうちには、おおむね同意か反発が起こるであろう。また、人の多くはみずからの同意する意見、ことに反発する意見をすぐさま陳べずにはいられなくなるだろう。そうした同意のすべて、そうした反発のすべてを、密やかに学ぶ人は、きっと、黙らせる。それはみずからの生きかたをにわかに変えて、そのような内なる、おおもとからの沈黙を弛まずに得ようとすることではない。それは、きっと、その人がいちいちの折りを意図的に選ぶことをもって始められる。そして、ゆっくりと、おもむろに、おのずからのごとく、そのまったく新たな聴きかたがその人の習いとなる。ー

 

 

ルドルフ・シュタイナー 著  鈴木一博 訳

『いかにして人が高い世を知るにいたるか』

 

より一部抜粋